2013年度 学位記・褒賞授与式(2014年3月26日)

(画像をクリックすると拡大表示されます)

応用化学科および応用科学専攻研究科の2013 年度学位記・褒賞授与式は、2014 年3 月26 日(水) 16 時より、西早稲田キャンパス 63号館2F大教室にて式次第に従い関根泰教授の司会で執り行なわれました。



学位記授与

今年は、学士154名、修士106名 博士8名 合計268名へ学部卒業生、修士修了生の研究室代表者に学位記が授与されるとともに、続いて本年度新たに制定された応用化学科褒賞授与式が行われました。

桐村光太郎主任教授から各研究室代表に学士、修士の学位記が授与されました。

学位授与式 学部 → 詳細はこちら
学位授与式 修士 → 詳細はこちら


☆祝辞:桐村光太郎主任教授

続いて桐村光太郎主任教授から以下の祝辞がありました。


祝辞を述べる 桐村 光太郎主任教授

主任として一言ご挨拶を申し上げます。

最初に一番大切なことを述べます。皆さん、無事のご卒業おめでとうございます。大学院の方々は無事の修了おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。年長になってくるとより強く感じられるようになりますが、無事ということが何よりも大事です。皆様もそれを噛み締めて欲しいと思います。


さて、私は、研究室の学生には時々言うのですが、早稲田大学の常識は、実は、世の中の常識とは少し違います。皆様は、今日学位記を手にするので自分で確かめて欲しいのですが、西暦で卒業年や修了年が書かれています。おそらく皆さんが、今まで小、中、高校で過ごしてきたときには書類の日付は西暦で書かれていることはなく、元号で書かれていたはずです。私の知る限りでは通常の大学では、まず間違いなく元号で書いてあり、それが世間の常識です。一方、早稲田大学の場合には世界標準として西暦で記載しているので、世間の常識とは異なります。いつからそうなったのかは分かりませんが、私達が大学を卒業したときは既に西暦表示でした。これが早稲田大学の常識です。皆さんが手にしている卒業証書の中にも、世間の常識とはずいぶん異なるものが含まれているのです。

今のことは一例ですが、皆さんが当たり前だと思っていることが、実は当たり前ではないということが世の中には多数存在します。ぜひ、そのような多くの例に自分で気付き、相違点について深く考えてほしいと願っています。

早稲田大学のみならず日本ということを考えてみると、皆様が当たり前のように思っていることの一つに平和ということがあります。ところが、約70年自国で戦争が行われていないという国は世界的には極めて少なく、だからこそこの事実を噛みしめていただきたい。そもそも、小、中、高校をはじめ大学とかそういう教育機関という学ぶべきところがない国も沢山あるのです。したがって、私たちは戦争がなく学校が満ち溢れた極めて恵まれたところ、あるいは世界の常識からいえば極めて特異的な国としての日本で生きていることにも思いを馳せてください。


世界の人々の平均寿命については種々の見方や考え方がありますが、実は、30歳未満であることは確かなことです。男女の平均寿命が約80歳の日本は高齢社会と言われますが、高齢と言えるところまで人生を全うできる、そういう国は極めて少ないのです。では、日本人の平均寿命はなぜ長いのでしょうか。もちろん、戦争がないことが第一の要因ですが、他にどのようなことが考えられるでしょうか。ここで、「生物化学」の番外編の講義をしますが、まず、日本で人間一人を養うのはどれ位のエネルギーを必要としているのかを考えてみます。日本人の平均寿命から計算すると、実は1.5トンから1.8トンの動物、つまり象やクジラぐらいの大きさの動物を飼うのに必要なエネルギーが消費されています。これは何を意味するのでしょうか。私はそんなに沢山食物を食べていないという人がほとんどだと思いますが、これだけのエネルギーは皆さんが生活していくときに使用しているのです。例えば、電気を付けて室内を明るくしている、あるいは、この部屋の温度が極めて快適に保たれているとか、こういうところにもエネルギーを使っています。また、快適な建物を作ることにも、道路や水道を整備することにも、すなわち社会インフラを整備するためにも極めて多くのエネルギーを使っています。これらの社会インフラに支えられて得られる快適さを使って、我々は長寿を実現しているのです。先進国では、エネルギーを使って人生を長くしているわけです。とくに、日本はそれに成功した稀な国といえるはずです。これを皆さんがどう考えるか、さらにはこの特異的な日本の状態をどのように維持し世界のために生かしていけば良いのでしょうか。大きな問題ですが、良い結論を導いていただけることに大いに期待しています。

その一方で、私には最近悩んでいることがあります。それは何かと言うと、「世の中が便利になっても人々が幸せになるわけではない」ということに尽きます。私が大学に入った頃は「世の中が便利になれば、人々はより幸せになるはずだ」とおそらく日本人すべてが、あるいは世界中の人々がそう思っていました。しかし、現実はどうでしょうか。当時と比べて、あるいは私の学生時代と現在を比べればとてつもなく世の中は便利になりました。情報も簡単に取れ、移動距離も極めて短縮され、あらゆる面で便利な社会が到来しました。少なくとも、日本では便利な社会が構築されました。けれども、すべての人が幸せでしょうか、あるいは社会が便利になったことで人々は幸せになったと思っているでしょうか。残念ながら、そうではありません。つまり、何かが進歩して便利になった場合、それには両面があって、良い面と悪い面があることに気付かされます。便利さによって起こる悪い面もあるということを認めなくてはなりません。

別の観点から見ると、私達は自分たちがいるところを当たり前だと思ってしまうので、ついそれを基準に考えてしまう癖があるということです。自分がちょっと他人と違うところにいると、それを不幸に感じたりするわけです。何と何を比べるかというところで、随分感じ方や考え方が違ってきます。日本という国では餓死者が次々出るとか、あるいは明日命を落とすかもしれないという恐怖にすべての人が怯えているとか、そのようなことはありません。先ほど述べたように、これは極めて稀なことで、幸せに他ならない。しかし、自分のいるところを中心に考えていると当たり前のことに思え、幸せとは感じないままになってしまいます。話を少し戻して、世の中が便利になったことで、すべての人が幸せになったかというとそうでもない。しかし、世界的な視野で考えれば、私達は極めて恵まれた、あるいはとても裕福で便利な生活をしている。そういう中にあって、私たちは何をすべきか、あるいはどういうことを行い、何を世の中に創りあげていくのかを是非考えていただきたい。21世紀の幸せの概念を創り上げていくこと、これが日本という国の義務と思うからです。


大学院に進学する人は、まだしばらくは学生かもしれませんけれども、卒業後社会に巣立つ人達は、教員と同様に社会を支える人達になる訳ですから、是非私達と共に考えてください。併せて、世界全体がより良くなるように努力をしてもらいたいと思います。そのためには、何よりも元気が必要です。

最後になりますが、2017年に早稲田大学の応用化学科は、100周年を迎えます。それが一つの目途になるはずなので、是非皆様にはそこまでは元気に健康に過ごしていただきたい。100周年記念の時には元気な顔を見せてください。応用化学科の100年の無事を祝いたいと思います。

私が述べたいことは以上です。ご清聴ありがとうございました。

☆祝辞:河村 宏早稲田応用化学会長

ついで、早稲田応用化学会 河村 宏会長からは、以下の祝辞がありました。


祝辞を述べる 早稲田応用化学会 河村 宏会長

皆さん ご卒業おめでとう。ご家族のみなさん、長い間お疲れ様でした。学生諸君をここまで育て上げた教職員諸兄の御苦労に対し、感謝と敬意を表します。

社会に旅立つ諸君は、これ迄の住み家を離れて独り立ちの門出です。 これからは、好きな友達だけと付き合うとか、厭な仕事はやらない と言う訳には行かなくなります。厭な仕事や厳しい上司は、これらが人生の道標であると思い、人間として成長するためにむしろ積極的に対処してそれを糧にして下さい。

私は、ほとんど毎年真言宗総本山、高野山の金剛峯寺を訪ねます。空海が入定している奥の院に燈籠堂があって貧女(者)の一灯が祀られています。1000年以上に亘り絶えることなく燃え続けています。 貧者の一灯は、長者の万燈にすぐれ、真心を込めた仕事は、永久に残ることを教えています。真心のこもった仕事をすれば、あらゆる困難にも対処できるという言葉を皆さんに贈ります。

応用化学科は卒業しますが、応用化学会には卒業はありません。むしろ皆さんは、これからが本格的入会です。私もこの5月で会長職を卒業しますが、応化会の仲間に変わりはありません。困った時、行き詰った時には、応化会には仲間がいます。人生経験豊かな先輩もいます。きっと良い知恵や救いが得られるでしょう。

諸君の健闘を心からお祈りしてお祝いの言葉とします。」

☆花束贈呈

今年は、河村会長が本年5月に会長職を卒業されることから桐村主任教授の計らいで多くの学生が揃っている本日、これまでのご尽力に感謝を込めて学生全員が起立する中で、卒業生および修了生を代表して吉野友梨さんから花束贈呈の一幕がありました。



河村 宏 応用化学会会長に感謝を込めて花束贈



応用化学科教員

応化会会長、副会長

☆新評議員の任命

河村会長のご指示により下井副会長から 2013年度の新評議員が発表されました。
同期の皆様によく見えるようにご起立お願いします。


新評議員を発表する下井将惟 副会長


黒田・下嶋研 山末 奈央さま、
西出・小柳津研 青木 康平さま、
松方研 今西 勇平さま、
木野研 鈴木 亮平さま、
平沢・小堀研 伊知地 真澄さま、
細川研 加藤 卓也さま、
本間研 間庭 佑太さま、
菅原研 大下 浩範さま、
西出・小柳津研 原 美代子さま、
関根研 矢部 智宏さま、
桐村研 田中 珠さま、
清水研 松井 昭憲さま、
逢坂・門間研 儀間 裕平さま、
逢坂・門間研 松田 翔風さま。

以上14名です。よろしくお願いいたします。


若い人が卒業すると住所変更の連絡を忘れて、関係者が一生懸命探してもどこへ行ったかわからなくなる人が多くなる傾向にあります。昨年同様各研究室からの推薦もあり上記14名が新しく評議員に任命されました。この方たちが力を合わせて同期の消息を把握していただきたい旨のお願いと全員の拍手による承認を得て新評議員が任命されました。

なお、定例の評議員会が4月26日(土曜日)に開催されます。後日、皆様にご案内があると思いますのでご出席よろしくお願い申しあげます。




☆在校生代表からの送辞

今年の送辞は 在校生を代表して、学部3年生 尾ア 正彦君が、卒業生に向かって堂々と以下の送辞を述べました。


送辞 尾ア 正彦君


「厳しい寒さも次第に和らぎ、桜もほころび(綻び)始める季節となりました。 この佳き日に御卒業、修了される皆様、本日は、誠におめでとうございます。

大きな希望と共にこの早稲田大学に入学し、早くも卒業の時期となりました。振り返ると、数えきれないほどの思い出が一人ひとりの胸に刻み込まれていることと思います。これから社会に出られる方、研究を続けられる方など進路は様々ですが、今日という日を境に新しい人生の第一歩を踏み出す皆様の目には、期待に満ち溢れた力強いパワーを感じます。

勉学や実験の指導に始まり、サークル活動や委員会活動など様々な場面で、頼もしくもあり、輝かしい先輩方の姿を私達は見てきました。いつも私たちの道標となってくださった先輩方は、大学生活においてとても大きな存在であり、気付けば、身近な目標になっていました。そんな多くの思い出を残してくださった先輩方から、御指導していただく機会がなくなることに寂しさがこみ上げてきます。この寂しさをばねに私達も後輩達の良き道標となれるよう精一杯努めて参ります。

さて、今年度は、2020年東京オリンピック、パラリンピックの開催が決定した年でもあります。アスリート達は7年後を夢見て、大きな目標を胸に日々努力を重ねていくことでしょう。「結果を残せるかどうかはわからない。しかし、ある目標に向かい夢を追い続けることこそが、やがて大きな成果に結びつく」。彼らはそう信じ、地道に努力し、苦しい日々を乗り越え、時に大舞台で花を咲かせます。

これから新しい世界へと羽ばたいていかれる皆様には平坦な道のりだけではなく、時には大きな壁が立ち塞がることもあるかと思います。しかし、そんな時も、自分自身の目標を決して見失わず、それに向かい着実な一歩を踏み出す。それこそが試練を乗り越える糧となり、輝かしい未来へ繋がっていくのだと思います。そして、皆様一人ひとりが夢を追い続け、それぞれの舞台で成功を掴み取ることができると、私達は信じております。

最後になりましたが、皆様の今後の御活躍、御多幸を願いつつ、在校生一同心よりお祝い申し上げて送辞とさせて頂きます。」


☆学部卒業生化の答辞

これに答えて、学部卒業生を代表して山形 奈央さんが以下の答辞を述べました。


答辞 学部卒業生代表 山形 奈央さん


「降り注ぐ暖かな日差しと吹き抜ける穏やかな風が新たな春の訪れを感じさせます。  早稲田大学の門をくぐってから早いもので4年の歳月が流れ、本日、卒業というひとつの大きな節目を迎えることとなりました。この晴れの日に、諸先生方並びにご来賓の皆様方のご臨席を賜り、学位記授与式を挙行して頂きましたことを心より御礼申し上げます。

大学生活への期待に胸を膨らませ一歩を踏み出したあの日からこの4年間の月日を振り返ると数々の記憶が蘇ります。講義を通じては、化学の先端領域で活躍されておられる先生方に基礎から応用に至るまで丁寧にご指南頂きました。学年が上がり、内容が専門的になるにつれて自らがより追究したいと感じられる分野と出会うことができ、化学の奥深さに魅了されました。また、応化の代名詞ともいえる実験とレポート作成の日々も強く印象に残っています。数多くの実験をこなす中で基本的な手技・手法を身につけると同時に机上では得られない知識を吸収できる最良の経験を積みました。加えて、多忙な日常の中でも精力的にサークル活動やアルバイトにも取り組み、大学生活がより実りの多いものとなりました。

研究室配属後の1年間は、特に濃密な時間を過ごしたように思います。それまでの生活とは一変し、土日祝日を問わず研究と向き合う毎日となりました。実験計画を練り、試行錯誤を繰り返しながら実験に臨み、昼夜を問わず研究に掛かりきりになることが日常に変わりました。白衣の袖に腕を通して順調な手応えを感じる日々や予想に反した結果に頭を悩ませる日々を重ね、螺旋階段を一段一段昇るような感覚に研究の醍醐味を味わいました。

そして、卒業論文は、まさに大学生活の集大成となり、論文を書き上げ、発表を終えた際には言葉では言い表すことのできない感慨深さがありました。研究活動に関する未熟さ故に、先生方からは種々の角度から熱心かつ親身にご指導頂きました。また、先輩方には実験から研究室生活に至るまで面倒を見て頂きました。後輩である私達を優先して付きっきりで実験指導して頂いたことも一度や二度のことではありません。先生方、先輩方のお力をお借りして自身の研究テーマを探究できる恵まれた環境に身を置くことができたことが幸せでした。

4年前の春、応用化学を学びたいという志の下に集い、学び舎の門を叩いた私達ですが、この春からは各々が新たな道へと旅立ちます。大学院へと進学する者、社会に足を踏み出す者と様々であり思い描く道も異なります。しかし、その根幹を流れる早稲田魂は、皆同じであり、早稲田の応化の名に恥じぬようその自覚と誇りを持って社会に貢献致します。

最後になりましたが、卒業を迎える今日まで温かくご指導して下さいました先生方、お世話になりました先輩方に心から感謝致します。また、苦楽を共にし、助け合ってきた同輩、常に応援し支えてくれた家族に感謝の意を表します。本当に有難うございました。そして、今後とも宜しくお願い致します。早稲田大学先進理工学部応用化学科が今後益々の躍進を遂げ、時代を牽引し続ける存在でありますことを祈念して、簡単ではありますが御礼の言葉とさせて頂きます。」

☆修了生からの答辞

引き続き、修了生を代表して柏木 里美さんからは在校生に向けた素晴らしい答辞がありました。


答辞 修了生代表 柏木 里美さん


「本日は、私たち卒業生のために先生方や、ご来賓の皆様方のご臨席を賜り、このように盛大な卒業式を開催していただきましたことを、卒業生を代表いたしまして心より御礼申し上げます。大学への入学当初、高校とは大きく異なる環境に戸惑いながらも化学を深く学ぶことへの期待でいっぱいであったことを覚えています。先生方の個性あふれる講義、理解度を高める考え抜かれた演習、そして、化学の根本である実験を通して私達は、一歩一歩確実に早稲田大学応用化学科の学生として成長することができました。応用化学科の学生生活では日々の講義、実験に加え、軽井沢での新入生オリエンテーションや理工展そして数々の講演会があり、多くの貴重な経験をさせていただきました。

また、研究室配属以降は各々の専門分野について学問をより深めるとともに研究に対する姿勢を一から学ばせていただき、非常に密度の濃い研究室生活を送らせていただきました。行事を始め講義や実験、研究室生活などを支え、彩を加えてくださいました応用化学科の先生方ならびに応用化学会の皆様方には深く感謝しております。学生生活を通じて私達は、掛けがえのない仲間に出会いました。講義、実験、レポート、試験と目まぐるしい毎日でしたが、これを乗りこえられたのは、共に競い、共に悩み、共に励まし合い、共に笑い合える仲間がいたからです。様々な経験を共にすることでその絆を深め、私達は、成長することができました。応用化学科の誇り高き同期の学生に、今改めて感謝しています。月日が経つのは速いもので私達が入学してから6年が経とうとしております。この6年間は、野球部や駅伝部の活躍、理工学部創設100周年、応用化学科創立90周年ととても華々しく、話題の豊富な年月でした。一方で、3年前の東日本大震災など実に厳しいこともありました。今日日本の直面しているエネルギー問題や地球規模で取り組むべき環境問題を考えると、私達応用化学科の学生が科学技術を通して果たすべき役割はますます大きくなっていると感じています。

これから私達は、また新たな道を歩んで参りますが、この応用化学科で学んだことを糧とし、化学を通じて誰もが幸福に暮らせる豊かな未来の実現に貢献していくことが私達の使命であり、大学への恩返しになると思っております。

最後になりますが、私達を温かく見守り、ご指導賜りました先生方、学生生活を支えてくださった事務所の方々、応用化学会の先輩方、今日まで私達の成長を見守り支えてくれた家族に改めて深く感謝し、厚く御礼申し上げます。後輩の皆様のご活躍と応用化学科のますますのご発展を心より願い、答辞の言葉とさせていただきます。」

☆応用化学科褒賞授与式

引き続き、今年度から新しく制定された応用化学科褒賞の授与式が執り行われました。

桐村 光太郎主任教授から以下の通り本賞設立の経緯、主旨等の説明があり、本賞および副賞が関根研究室の佐々木 悠介君に授与されました。

応用化学科褒賞は、教員および応用化学科卒業生の寄付金をもとに基金を設立し授与することとし、応用化学科で優れた業績をあげた学生を表彰し、更なる人間形成を促すことを主旨として設定したものです。本年が第一回となりますのでご記憶下さい。

応用化学科褒賞

早稲田大学先進理工学部応用化学科 佐々木 悠介

主君の学業成績は、2013年度卒業生中
特に優秀と認め ここに応用化学科褒賞を送り表彰する。

早稲田大学先進理工学部長 西出宏之



応用化学科褒賞受賞者 佐々木 悠介 君の挨拶と褒賞授与



受賞挨拶する佐々木 悠介君

佐々木 悠介君は、原稿なしで喜びを噛みしめながら淡々以下のような受賞挨拶を述べられました。

「このたびはこのような非常に栄誉な賞をいただき、誠にありがとうございます。まだまだ未熟者の私がこのような栄光ある賞をいただいて本当に恐縮でございます。応用化学科に入学してはや4年経ちましたが、豊富な授業を通しまして化学の基礎的な部分を数多く学んできました。入学した当初から先生方による高度な授業が展開され、高校のレベルとの差に驚愕いたしました。特に、有機化合物の難解な電子移動、物理化学や電気化学の難解な方程式、他には難解な板書の授業というものが立ちはだかりましたが、必死の学習を通して化学の基礎を身に着けることができました。

さらに、応用化学科では授業のほかにも豊富な実験がありました。実験の種類は多岐にわたり、この多くの実験により授業で得た知識を実践することでこれらの知識の定着を行い、実習することによって貴重な経験を得ることができました。本当に有難うございます。

実験ではレポートが課されましたが、そのレポート作成を通して実験結果にどう向き合うかという科学者の基本的姿勢について学ぶことができました。他にも剽窃やデータの改ざんといった科学者の根本的な理念に問われる部分やレポートの提出期限の厳守に非常に厳しく、そこから社会人として時間を守る大切さについて学ぶことができました。応用化学科での勉学は、決して易しいものではなく、時にはつらい時もありましたが、先生方の手厚い指導、加えて愉快で尊い仲間たちが支えてくれたこと、家族や周りの方たちのお蔭で今日無事卒業を迎えることができました。本当に感謝の念に堪えません。

早稲田に入学してとても印象に残ったことは、早稲田の校歌が非常に有名であることでした。ある日、高校時代の友人たちと一緒にカラオケに行くときがあり、その場で友人の一人が面白がって都の西北が選曲されました。早稲田大学生は、その時僕一人だけでありましたが、僕以外の全員が都の西北を歌い上げることができました。その時に何とも言えぬ恥ずかしさを覚えるとともに、一大学の校歌がこれほどに有名であるのかと驚嘆いたしました。その歌詞には早稲田の高尚な理想や志をうかがい知ることができ、それが早稲田教育倫理にも滲み出ているように思われます。 今日、私たちは卒業してそれぞれ別の道を歩みはじめることになりますが、早稲田の校歌にもありますように『正しき理想の光』を仰いで進み、ここで出会った貴重な仲間たちを大切にして『久遠の理想』へと少しでも近づいていければと思う次第であります。その過程で応用化学科の先生たちに学んだ『役立つ化学、役立てる化学』を用いて社会に貢献していければと願っております。以上、稚拙ではありますが、受賞者挨拶とさせていただきます。

本当に有難うございました。」



式場の様子


☆乾杯

応用化学科褒賞授与式及び受賞挨拶を無事通過し、恒例の応用化学科会寄贈のビールによる乾杯へと式が進みました。例年のごとく最年長教授で現在アメリカ電気化学会の会長を努めておられる逢坂哲彌教授から乾杯前のご挨拶がありました。


ご挨拶をされる逢坂 哲彌教授

逢坂哲彌教授のご発声で乾杯

「皆様、ご卒業、専攻修了と学位授与おめでとうございます。」

私も学部卒業時、大学院修了時を思い返すと、この時期のように情熱をもってそのターゲットに没頭できる時期というのはなかったと思いますし、皆さんもそうであったと思います。

これは人生一生の中で最も貴重な体験の時で、この体験があって初めて社会に出て皆さんが活躍できる原動力になると私は信じております。 これを言い換えれば、要は、目的は、大志であれ小志であれ、皆さんは、これから何事もこのように情熱をもって行っていただきたいということです。


ところで、私、現在アメリカ電気化学会の会長をしています。この学会は、確か、130年位前にできた古い学会で、トーマス・エジソンもメンバーであった学会です。会員は9,000人ぐらいですが、エネルギー、環境、蓄電池を世界的にリードしている学会です。

本日は良い機会ですので、会長として皆さんに英語でメッセージを送ります。


Congratulation! Everybody! I am just feeling that the most important thing is the passion.

You have to have the ambition. Long time ago Dr. Clark said “Boys, be ambitious!” Now I would say "Ladies and Gentlemen, be ambitious with PASSION!" You are now having to start from The WASEDA University.  Work for the Japan, and work for the Asia and work for the world. We believe you can do everything to grow up with passion, and make of your dream. Please start from now to do the very strong ambition and also very strong passion with your purpose.

Congratulation and we are now ready for KANPAI.!

「皆様のご卒業をお祝いし、これからの益々のご活躍を祈願して乾杯!!」のご発声で、応用化学会寄贈の缶ビールで門出を祝しました。

☆校歌斉唱

卒業生を代表して久保田 慧君および澤田 健太郎君のエールで式場は一気に盛り上がり、応援部員を彷彿とさせる大声による指揮により、全員での校歌を斉唱、「フレー、フレー早稲田」、「フレー、フレー応化」のエールでお開きとなった。




卒業生代表 久保田慧君と澤田 健太郎君のリードによる校歌斉唱とエール


当日は 恒例となった応用化学会からの印鑑を寄贈すると共に、応用化学会副会長、委員長も招待頂き、巣離れされる皆さんに暖かいエールを贈らせて頂きました。

会場のスナップ写真 → こちら


(写真:広報委員会・事務局、 文責:広報委員会 相馬委員長)