竜田邦明教授 大隈記念学術褒章(記念賞)受賞
研究題目:「多様な天然生理活性物質の全合成と活性発現機構の解明」

 竜田邦明教授は、本年6月の藤原賞受賞につづき、このたび2008年度大隈学術記念賞を受賞されました。

 応用化学会会員では既に土田英俊先生(高分子錯体による人工赤血球の研究 1987年度)、加藤忠蔵先生(イオン・分子のインターカレーションによる先端無機材料の研究 1989年度)、故平田 彰先生(異相系接触操作における移動現象の基礎理論の体系化と応用 2001年度)が受賞されておりますが、このたび広報委員として大隈記念学術褒章授賞式に参加する機会を頂いたのでご紹介します。
 この賞は、今から50年前、創立者大隈重信先生を記念し学術の振興をはかる目的をもって、昭和33年5月15日、学術褒賞制度が設けられ、研究上顕著な業績をおさめた教員に対して、学術褒賞規程により大隈学術記念賞、大隈学術奨励賞としてそれぞれ正賞と副賞が授与されています。
 大隈学術記念賞は、研究上の業績が抜群であって、学術の水準の向上に寄与するところ極めて顕著なものに対して授与され、大隈学術奨励賞は、学術の研究上特に顕著な成果をおさめたものに対して授与されます。
褒賞の授与は,本大学の創立記念日の前後に行われることになっており、本年は、平成20年10月23日、大隈会館201号室において白井克彦総長参列のもと式次第( こちらをご覧ください。)に則り褒賞授与式が行われました。

本年度は、全て記念賞で竜田邦明教授を含めて4名の先生方(いずれも理工系の教授)に授与されました。酒井清孝教授のご推薦により選考委員会(委員は全て文系の方でいろいろと研究課題を理解するのにご苦労があったとのことです。) にて審査され、めでたく、研究題目「多様な天然生理活性物質の全合成と活性発現機構の解明」で受賞されました(大隈記念学術褒賞審査報告書は、2008年10月20日発行 早稲田大学広報 CAMPUS NOW 臨時号 第2945号 をご覧ください。

 白井総長から、『竜田先生の研究は、「すべては全合成から始まる」をモットーにした天然生理活性物質の研究で、まるでやんちゃ坊主のような、完ぺき主義で、一度決めたものは全合成しないと満足しない研究姿勢で、常に新しい手法を組み入れて、自分の主義・主張を貫きとおして行く態度は、早稲田大学の大きな伝統であり、その功績には大きな価値があり、本当に感謝しております。』と祝意が述べられました。

竜田教授は、『この賞は、自分が早稲田大学に籍を置いた証となるもので、また、早稲田大学で、教授になってたった11年余の男に、このような立派な賞を与える早稲田大学の度量の深さに感銘し、選んでいただいた先生方に深く感謝申しあげます。また、自分の研究は、手に入る最も簡単な化合物から約50工程を経て天然生理活性物質、(例えば、抗生物質)を全合成するもので、当大学に赴任後、飛躍的に発展し、日夜休まず献身的な努力で研究に従事された多くの大学院の学生さんに負うところが多く、本当に頭が下がる気持ちで一杯です。あと2年余りありますのでもうひと頑張り研究を続けてゆく所存です。』と謝辞されました。

ASMeWの副機構長である竜田先生におかれましては今後とも当大学の「明日が見える」ように今後ともご尽力いただけることと祈念しております。

白井総長を囲み、すべての受賞者ご夫妻および受賞者全員ならびに各受賞者ご夫妻の写真撮影後、別室にて行われた素敵な懇親会の雰囲気の一部もご紹介します。

白井総長と受賞者ご夫妻 白井総長と受賞者 白井総長と竜田邦明教授ご夫妻
ほっと一息の白井総長 全合成についての歓談? 竜田教授もほっと 懇親会たけなわ

竜田邦明先生 本当におめでとうございます。[取材:広報委員会(相馬威宣)]