第9回中部支部総会と交流会の報告書

 2016年4月2日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第9回中部支部総会と交流会を開催しました。
早稲田大学先進理工学部・研究科西出宏之教授(応化会副会長)をお招きし、関西支部よりは和田昭英氏と數田昭典氏の両関西支部理事に参加して頂いた。久しぶりに26名の参加があり盛会のうちに幕を閉じました。

第9回支部総会

 三島支部長の開会挨拶に引き続き、 山崎副支部長より来賓3氏を紹介しました。
堤幹事より、2015年度の活動実績、経費実績及び2016年度活動計画と予算案が上程され出席者全員の賛同が得られました。

(報告の詳細は、こちら(pdf)。


西出教授による講演昨年まで、先進理工学部学部長として4年間に亘り、先進理工学部の基盤整備と発展に務めて来られた、西出教授を迎え講演して頂きました。
新体制に移行して以来、学部と応用化学科で実施して来た或いは現在取り組んでいるプロジェクトやプログラムについて詳細にわたり説明して頂きました。その要旨を以下に纏めました。
西出教授による講演

 昨年まで、先進理工学部学部長として4年間に亘り、先進理工学部の基盤整備と発展に務めて来られた、西出教授を迎え講演して頂きました。
新体制に移行して以来、学部と応用化学科で実施して来た或いは現在取り組んでいるプロジェクトやプログラムについて詳細にわたり説明して頂きました。その要旨を以下に纏めました。

@ 世界大学ランキングにおける早稲田大学のランク
THE社のランキングでは、早稲田大学は2015年220位であったが,2016年は600〜800位の範囲に下がった。タイムス社とコンタクトし評価基準等に関するアドバイスを頂き、学部運営に反映させている。他方、英国のQS社の卒業生の活躍及び雇用者の評価の観点から見たランキングは33位、又、サウジアラビア世界大学ランキングセンターのCEO排出数に注目したランキングでは38位にランクされている。
A 文科省支援事業「スーパーグローバルユニバーシティー事業」の受託と具体的取組み
昨年よりスタートした産学官連携支援事業であり、早稲田大学は、選出枠Aランク13大学の一校として選出された。大学内に次の6モデル拠点を立ち上げ、10年後世界ランク100位以内を目指した研究開発に着手している。(1)ナノ・エネルギー拠点(西出教授が応用化学科の教授らと共に進めている。)(2)ロボット、 (3)数学、 (4)日本文学、 (5)政治・経済の実践、 (6)スポーツ。

更に、応用化学科では、次の新しいプログラムに取り組んでいる。
(1) 昨秋より3名の外国人教授(豪、伊、米)の採用。
(2)エネルギー・ネクストプロジェクトの立ち上げ。
JXエネルギーをパートナーとした産学協働により、スマートグリッド/エネルギーマネージメントシステムの日本に於ける実証実験の拠点となり、併せて逢坂教授がリードする電池の実装レベルでの製造ライン(電池ビル)を立ち上げた。
(3)リーディング理工学博士育成プログラムの採用。
5年一貫性の博士プログラムで、修士論文をなくした修士から博士課程への円滑な継続、奨学金支援による授業料無料化および海外の大学・企業でのインターンシップやジャーナリズムコースなどの新カリキュラムからなるプログラムの実践。
B 応用化学科実験室のリニューアル
2010年の高校生国際化学オリンピック大会開催場所として、化学の実験・試験が可能なように応用化学科実験室全てにドラフト設備を設置し実験室をリニューアルした。
C 全教授の活動や業績の見える化
SciVal Experts を使用し、全ての教授の研究論文や活動および業績を見える化した。又、各研究室にラボリーダーを置き研究室のPRや学会発表の取り纏め管理を開始した。
D 授業料の値上げと新カリキュラムの導入
私学経営にとっては頭の痛いテーマであったが、修士課程の値上げを提案した。現場サイドとしては初めての提案ケースであり、値上げの半分を新カリキュラムの導入に振り向けるなどの改善内容を織り込み、学生の家族や大学の関係部署への説明を行った。関係部署の理解が得られ、今年より授業料が上がり修士課程に以下の新たなカリキュラムが導入された。
  • (1)全員海外での学会発表と共同研究に出かけさせる。
  • (2)就職キャリアーアドバイザーを置き、学生の就職活動を支援する。
  • (3)英語教育の充実化。(TOECの全員強制受講、Science Technology科目を主体、Discussion Tutorial Englishの実施、ミシガン大学でのTechnical English Writingの実践訓練等)
  • (4)イノベーションリーダーシップ及びロジカルコミュニケーショントレーニング科目の受講。

 最後に、学外活動として、平成25年まで副会長から会長職を務められた「日本化学連合」の設立趣意や欧米を含めた学協会の概要について紹介がありました。

以上のように、西出教授自らがリードして来た、先進理工学部と応用化学科のグローバル化に対応した挑戦的な取組みに、参加者全員は強い感銘を受け、国際的に活躍する多くの後輩が生まれてくる期待が大きく膨らんだ講演でした。

懇親会

 後藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。薄暮の名古屋城を窓越しに見ながら懇談会は大変盛り上がりました。最も若手の海法秀氏を皮切りに、両関西支部代表および台湾に赴任中でありながら参加頂いた西川通則氏にスピーチを頂いた。何れのスピーチも数々の質問が飛び交い大変興味深い内容でした。テーブル毎や西出教授を囲んだ懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。全員写真を撮った後、フィナーレは堤幹事の「1本締め」で、母校及び早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)西出宏之(新20回)
(関西支部会員)和田昭英(新34回)、數田昭典(新51回)
(中部支部会員)澤田祥充(旧31)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新19回)、谷口至(新22回)、友野博美(新22回)、須藤雅夫(新22回)、木内一壽(新24)、山崎隆史(新25回)、服部雅幸(新32回)、上宮成之(新35回)、藤井司(新36回)、西川通則(新36)、加藤啓(新38回)、櫛谷文彦(新39回)、新村多加也(新39回)、二村健史(新40回)、大高康裕(新41回)、海法秀(新56回)

(文責 堤)

スナップ写真

画像クリックで拡大されます。

全員写真
懇談する西出教授と和田関西支部理事 懇談する西出教授と西川氏
スピーチする海法氏 スピーチする數田関西支部理事
懇談風景-1懇談風景-2懇談風景-3
*****
懇談風景-4懇談風景-5

△ページトップへ戻る