早稲田応化会関西支部(早桜会)2010年度第1回懇話会開催報告

南アで開催中のサッカーW杯で、日本はデンマークを3−1で破り決勝リーグ進出決定の興奮いまだ冷めやらぬ6月26日(土)、大阪の中央電気倶楽部で今年度第1回の懇話会を開催しました。 講師は中野哲也氏('87卒、三井化学)で"ケミカルエンジニアのお仕事"と題して熱弁を揮われました。今回は懇話会初参加の前田泰昭、若い加藤真裕、伊藤健哉さんらが加わり総勢12名と小振りでありましたが、活気のある懇話会となりました。


講演は氏の会社での業務経歴から始まり、実際にプロセスサイドの責任者として活躍したアモルファスオレフィンポリマー(AOP)プラント建設の設計からプラント建設、試運転、製造部移管に至る詳細について解説されました。このポリマはシクロオレフィンコポリマ(COC)で商品名"アペル"と称し、DVDのピックアップレンズや携帯電話のカメラ用レンズなどに使用されているものです。

開発は小試(フラスコレベルの研究)、中試(スケールアップデータ採取、再現性確認、パイロット試験)、実機生産(安全かつ安定的)と展開していきます。

プラント建設概要ですが、まずは、建設プロジェクトの運営組織、建設スケジュール、基礎工事、機器据付、電気計装工事、配管工事と進む様子を写真でわかりやすく紹介。この全体業務の中での生産技術系技術者の役割分担、ケミカルエンジニアの仕事について持論を展開されました。最後にプロセス技術者に求められる姿勢について、積極性、協調性、緻密性、折衝力、判断力とまとめられました。

現場力の向上にはスケールアップ技術がキーワードなります。それには遊び心(工夫心)を持って、現場100回の精神で省力化ツールだけに頼らず、現場を徹底的に肌で観察する重要性を強調されました。

これらの話の内容は、現場を良く知り、現場経験から発せられた実のあるものでありました。あっという間の1.5時間の講演であり、若い現役の技術者にとって、大いに参考になる講演内容と言えましょう。

講演後、質問、議論が活発に行われましたが、会場の時間制約のため、場所を堂島アヴァンザビル地下の居酒屋に移し、第2ラウンドとなりました。アルコールも入り一段と盛り上がり、時間を忘れて議論と雑談に花を咲かせました。 講演時の写真撮影をうっかり忘れしてしまい、第2ラウンド時のリラックス写真で勘弁願います。

(井上 記)
当日の出席者
津田 實('57)、井上征四郎('62)、前田泰昭('64)市橋 宏('67)、田中航次('67)、篠崎匡巳('80)、和田昭英('84)、脇田克也('86)、中野哲也('87)、高島圭介('98)、加藤真裕('06)、伊藤健哉('07)