この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました酒井清孝教授ならびに小堀深専任講師に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました平沢泉教授、武田直也准教授(生命医)をはじめとする応用化学科の諸先生方、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。さらに、多大なご指導を賜りました東京女子医科大学先端生命医科学研究所の岡野光夫教授、大和雅之教授、秋山義勝講師に深く感謝申し上げます。
本学位論文は、移植医療への臨床応用も行われている細胞シート工学の根幹技術である温度応答性培養表面に対して、温度条件変化に伴う挙動変化について動的かつ定量的な解析を行い、細胞接着・脱着の機能発現のメカニズムの詳細を明らかにしたものです。これら解析の実現のため、細胞-基材界面のタンパク質および高分子の蛍光観察を可能とする、温度応答性高分子を超薄膜構造とした新たな解析系を確立しました。本研究によって得られた知見は益々発展する再生医療や組織工学の分野に大きく寄与するものであると期待されます。
現在、私は東京女子医科大学の博士研究員として再生医療の研究をしております。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました竜田教授ならびに細川准教授に心より御礼申し上げます。また、貴重なアドバイスをいただきました微生物化学研究所の高橋良和先生、本論文の審査を賜りました清水教授、研究生活を支えていただいた研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、絶対構造の解明と構造活性相関研究にも応用可能な効率的骨格構築法の確立を目的として、連続多環式骨格を有する2種類の天然生理活性物質の全合成についてまとめたものです。抗生物質K1115 B1の全合成においては、合成した標的化合物と独自に単離精製した天然物を比較することで、天然物が2種類の立体異性体の混合物であることを初めて明らかにしました。降圧物質TMC-66の全合成では、longest linear sequence 9工程、収率22.4%にて効率的に全合成を達成し、その絶対構造を解明することができました。どちらの天然物の合成経路も収束的になっており、構造活性相関研究に対応可能なものであると考えています。
現在、私は塩野義製薬の生産技術本部でプロセス化学者として働き始めたところです。早稲田での研究生活を通じて得たことを信じ、新しいことに挑戦していく所存であります。また、何事も毎日の積み重ねによって成される業であることを強く意識し、一生勉強する姿勢を大切にしていきたいです。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授与でき、深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました菊地英一教授、松方正彦教授、ならびに関根泰准教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました応用化学科の諸先生方、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文では、ペロブスカイト型酸化物などの易動性格子酸素を有する酸化物において、その格子酸素による反応基質の酸化と水蒸気による格子酸素再生のサイクルからなるレドックス機構で反応を進行させることが可能であり、これを生かした触媒プロセスにおいて活性・選択性・安定性の高度な制御が可能であることを示しました。本研究成果で得られた知見により新規触媒プロセスの構築のみならず、触媒化学分野の発展に貢献すると考えられます。
現在、私は静岡大学工学部物質工学科の助教として、『早稲田』で学んだ応用化学の知見を軸に、高次機能性化学反応場の構造設計や機能性のナノ・ミクロレベルの制御を展開しております。この学位取得を研究者の第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。 浜松では、鰻やフグ、スッポンなど味わうことができ、日本三大砂丘の一つである遠州灘の中田島砂丘など観光も愉しむことができます。静岡大学浜松キャンパスにお越しの際には、お気軽にご連絡ください。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、研究者としての第一歩を踏み出すことができ、身の引き締まる思いであります。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました黒田一幸教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました逢坂哲彌教授、菅原義之教授、本間敬之教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、学外審査員のEduardo Ruiz-Hitzky教授(Instituto de Ciencia de Materiales de Madrid, Spain)に心より感謝申し上げます。研究室の皆様には研究を含めて様々な面で長期にわたってサポートして頂き、深く感謝しております。
本学位論文は、複雑な構造を有する階層構造材料を設計するための、コロイド粒子の利用についての研究をまとめたものです。粘土鉱物やシリカナノ粒子等のコロイド粒子をビルディングブロックや鋳型として用いることで、単純な手法による階層構造設計に成功しました。特にシリカナノ粒子の規則的集合体内部で金が二次元的に結晶成長することを発見し、ナノ構造制御の新規概念へと展開しました。本研究の知見は、環境エネルギー問題解決のために重要とされている触媒、分離媒体や、ナノテクノロジーのための電子材料等の構造設計に幅広く寄与するものと期待されます。
現在、私は東京大学工学系研究科の博士研究員として新規触媒創製の研究に従事しています。早稲田らしさを研究者としての武器に、化学の発展へ貢献できる人材となれるよう、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かることができ、光栄の極みであるとともにお世話になった多くの方々への感謝の気持ちで感極まる思いです。本論文執筆にあたり、お忙しい中、幾度も長時間のご指導いただきました黒田一幸教授に心より御礼申し上げます。本論文の審査員である逢坂哲彌教授、菅原義之教授、本間敬之教授、Eduardo Ruiz-Hitzky教授に深く感謝いたします。私は早稲田応用化学会から「早稲田応用化学会給付奨学金」を2年連続でいただきました。収入の乏しい修士課程で研究に集中し、博士課程での研究につなげることが出来ましたのはこの奨学金のおかげです。河村宏会長をはじめ募金委員の皆様および募金者の皆様に心より御礼申し上げます。
本学位論文は無機層状物質である層状ケイ酸塩の電荷の種類を横断した層表面設計をし、ナノ材料へ変換した成果をまとめたものです。この成果は層電荷密度に制限のあった従来の無機層状物質を用いたナノ材料の設計概念を大きく拡張し、層状物質を基盤とした材料設計の発展に貢献するものです。
今春より私は昭和電工株式会社に入社し、早稲田大学応用化学で身につけた知見と技術を生かしつつ、新しいフィールドで工業化学の発展に寄与していく所存です。ご指導いただきました先生方、応用化学会関係者の皆様、そして募金者の皆様の恩顧に応えるべくより一層精進をする所存です。今後も御指導・御鞭撻を宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました西出宏之教授ならびに小柳津研一准教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました清水功雄教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、研究室の皆様、さらには共同研究先としてお世話になった豪州モナッシュ大学グリーンケミストリーセンターのミルトン・ハーン教授および本学科OBでもある齋藤敬講師に、心より感謝申し上げます。
本学位論文は、高い酸解離度を有するスルホン酸高分子を独自に分子設計、合成するとともに、その機能性材料への展開として、燃料電池用高分子電解質膜、有機合成における固体酸触媒、導電性高分子における酸ドーパントの三つに照準を絞り、各応用分野における材料からの新たなアプローチとその実質的な成果に関する研究内容をまとめたものです。また、応用に留まらず、高分子化学の根本である重合機構の解析においても、スルホン酸モノマーのラジカル重合機構を初めて詳細に明らかにすることに成功いたしました。本研究によって得られた知見は有機化学、高分子化学のみならず、エネルギー材料分野や有機電子デバイス分野などに関して大きく寄与するものであると期待されます。
現在、私は三菱化学株式会社の横浜研究所にて、研究開発に取り組んでいます。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも諸先生・先輩方には御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました黒田一幸教授ならびに山内悠輔博士(物質・材料研究機構)に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました逢坂哲彌教授、本間敬之教授、菅原義之教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、佐藤日早子様をはじめ黒田研究室の皆様に心より感謝申し上げます。皆様のおかげで辛い局面もございましたが、楽しく研究生活を送ることができました。誠にありがとうございます。
本学位論文では、約3 nmのナノ細孔を有する、水中に分散したシロキサン系コロイドナノ粒子の調製方法やその特性についてまとめています。本ナノ粒子が実社会で利用されるためには時間がかかると思いますが、近い将来、薬剤担体、バイオセンサー、光学材料のビルディングユニット等、数々の分野で用いられると信じております。
現在、私は産業技術総合研究所(中部センター)の研究員として、黒田研究室で学んだ無機合成化学の知見を軸に、低炭素化社会および安心・安全な社会を目指した新奇ナノ材料の創製に取り組んでおります。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました西出宏之教授ならびに小柳津研一准教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました清水功雄教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、Monash大学Milton T. W. Hearn教授、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、機能性分子の代表として、新しい電極活物質として関心高い、ニトロキシドラジカル分子と酸素運搬能のあるポルフィリンの二分子に着目し、これら機能性分子の水素結合を介した超分子ポリマーの構築を目指したものです。前者については、ニトロキシドラジカルの酸素原子が不対電子のほか非共有電子対を有することに着目しました。ラジカル酸素原子とプロトンドナー分子間の水素結合の形成を試み、新規な水素結合を介した超分子ポリマーの構築を実現しました。後者については、複数の水素結合ユニットをもち、かつ酸素の可逆的な吸脱着が可能なポルフィリンを合成、それらの超分子ポリマーからなる新規な膜材料を提案しました。機能性分子が水素結合を駆動力として分子集合するアプローチに基づく超分子ポリマーの生成を可能とし、学問的、実用的見地からも有用な知見が得られたものと考えております。
現在、私は西出・小柳津両先生のもとで引き続き研究に尽力しており、これまでに応用化学の研究生活で学んだ知見を軸に、有機色素を用いた機能性分子の創製を展開しています。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました西出教授ならびに小柳津准教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました西出教授、小柳津准教授、門間准教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、ICカードやアクティブRFIDなどの薄型エレクトロニクスデバイスを駆動しうる軽量、かつ柔軟性のある高容量充放電デバイスとして期待される有機ラジカル電池の性能向上を目的として実施したラジカルポリマー複合電極での電荷移動の解明と界面構造の構築についての研究内容をまとめたものです。特にラジカルポリマー/炭素繊維複合材料の特性解析から構造と機能の相関解明に切り込み、高速・高密度充放電を可能とする基本原理と理想的電極構造の設計指針を導出し、実際に電池特性の向上を実証したことで、有機ラジカル電池の実用化への可能性を高めました。本研究によって得られた知見は益々発展するエネルギーデバイス分野に大きく寄与するものであると期待されます
現在、私はDIC株式会社/新機能材料研究所の研究員として、『早稲田』で学んだ応用化学の知見を軸に、プリンタブルエレクトロニクスデバイスの創製を目的とした導電性インクをはじめとする各種機能性インクの研究開発を展開しております。この学位取得を研究者としてのさらなる第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました逢坂哲彌教授、本間敬之教授ならびに門間聰之准教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました黒田一幸教授、菅原義之教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、研究室の皆様、更には学外審査員のYosi Shacham-Diamand教授(テルアビブ大学)およびBruno Scrosati教授(ローマ大学)に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、電界効果トランジスタ(FET)バイオセンサの医療分野への応用を目的とし、界面設計に着目したアプローチを通じて、実用化における当センサの課題に対する解決法を纏めたものです。本研究によって得られた知見は、予防医療分野での診断技術の開発指針として、バイオセンサ分野の発展に大きく寄与するものであると期待されます。
現在、私は早稲田大学総合理工学研究所の次席研究員として、これまで学んだ応用化学の知見を軸に、医療現場での実用化を目標としたバイオセンサの開発を展開しております。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました平沢泉教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました酒井清孝教授、Martin Luther 大学のJoachim Ulrich教授および応用化学科の諸先生方ならびに研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本論文は、希望する品質を有する擬多形結晶を選択的に回収するプロセスについて、晶析工学の観点から研究成果をまとめたものです。擬多形は結晶多形に属する現象で転移機構や制御方法は未解明な点が多い対象であり、本論文では特に、融解晶析法を用いて擬多形結晶を高純度に回収するプロセスに着目し、状態の異なる不純物が擬多形に及ぼす影響を明らかにしました。対象物質に無機水和物を選定して固体不純物の分離を考慮した点は独創性があると考えられ、本研究によって得られた知見は益々発展する固体製造や高度分離の分野に大きく寄与するものであると期待されます。
現在、私は早稲田大学理工学術院先進理工学部応用化学科の助手として、早稲田で学んだ応用化学の知見を軸にして研究に邁進するとともに、後輩学生の指導に力を入れております。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました平沢泉教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました酒井清孝教授、Martin-Luther大J. Ulrich教授、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文はインライン分析技術を用いた晶析プロセスの動的解析及び最適化手法についての研究内容をまとめたものです。最適化手法に関しては少ない予備検討で迅速にプロセス制御(過飽和度制御)できる手法を考案し、この成果は工業晶析プロセスの発展に少なからず貢献できるものと考えております
私は花王株式会社の研究員として、学んだ化学工学の知見を軸に、この学位取得を研究者としての第一歩として、幅広い分野で貢献できる研究者、技術者をめざしていきたいと考えております。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました黒田教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました逢坂教授、菅原教授、本間教授をはじめとする応用化学科の諸先生方、研究者としての基礎をご教授頂きました古川博康博士 (University of California - Los Angeles) に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、自己集合能を有する光機能両親媒性分子の合成と、それらの自己集合を利用したメソ構造体の作製、および配列した発色団により得られる光物性についての研究をまとめたものです。その中で、従来のメソ構造体とは異なる新たなメソスケール構造の決定因子や、自己集合により配列した発色団による効率的な光応答の発現、といった新たな知見を集積しています。これらは光機能有機分子―無機化合物複合体の構造と機能との両面の設計指針を与えるものであり、光機能材料化学のみならず光応答材料や光→エネルギー変換デバイスの実用化にも大きく貢献するものと期待されます。
現在、私は大日本印刷株式会社の研究員として、早稲田大学で学んだ応用化学の知見を軸に、新規材料の創製を展開しております。この学位取得を研究者としての第一歩として、一層の研鑽を積んでいく所存であります。今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 最後に、今まで経済的・精神的に支え続けてくださった家族をはじめとする方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年2月、提出した学位論文が受理され、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かりました。本論文をまとめるにあたり、様々なご支援ときめ細かなご指導を賜りました本間教授に深く感謝しております。また、本論文をご審査頂き貴重なご助言をくださった逢坂教授、黒田教授、菅原教授、門間准教授、また日頃よりご指導頂いた応用化学科の諸先生方に心より御礼申し上げます。
本学位論文で私は、種々のデバイスに応用される強磁性ナノ構造体の形成、およびその機能制御を実現する電気化学プロセス研究についてまとめました。特に、ナノドットパターン内での電気化学反応を初期過程から制御することで、結晶配向性を制御した極微細な強磁性ナノドットアレイを均一形成するプロセスを開発しました。また、本研究を通じて、次世代型超高記録密度磁気記録媒体として提案されるビットパターン媒体(BPM)の新規な形成プロセスを提案しました。この研究で得られた電気化学プロセス開発に関する成果は、強磁性ナノ構造体の形成プロセスのみではなく、エレクトロニクス分野で広く求められるナノスケールの機能構造体形成に広く貢献すると期待されます。
現在、私はマサチューセッツ工科大学の博士研究員として、様々なバックボーンの研究者たちの中で、早稲田で学んだ「実践的ナノ化学」を強みとして研究を進めております。この学位研究を「科学」の世界への第一歩とし、今後も社会に役立つ科学を生み出せる人材となれるように日々研鑽して参りますので、御指導・御鞭撻賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
この度、早稲田大学より博士(工学)の学位を授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。本研究の遂行にあたり、懇切なるご指導を賜りました逢坂哲彌教授に心より御礼申し上げます。また、本論文の審査を賜りました黒田一幸教授、菅原義之教授、本間敬之教授、門間聰之准教授,Prof. Bruno Scrosati(University of Rome, Italy)、Prof. Yosi Shacham-Diamand(Tel Aviv University, Israel)に厚く御礼申し上げます。また,お世話になりました応用化学科およびナノ理工学専攻の諸先生方、逢坂研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本学位論文は、化学的手法により得られる磁性ナノ粒子のボトムアッププロセスとしての自己組織化現象に着目し、その作製手法の可能性についてまとめ、テラビット級の記録密度を見据えた次世代磁気記録デバイスへの新たな指標を提示しました。本研究によって得られた化学的手法を主とする成果は、安価かつ高性能で量産可能な究極の磁気記録デバイスの開発に繋がるものと考えられ、化学的手法により得られる磁性ナノ粒子の基礎的なビルドアップ法の知見と学問体系を新たに拓くのみならず、今後の磁気記録開発において工学的にも大きく貢献するものになると期待されます。
現在、私は早稲田大学理工学術院理工学総合研究所の次席研究員として、これまで学んだ応用化学の知見を軸に、新規ナノ材料の創製を展開しております。より一層の研鑽を積んでいく所存でありますので、今後とも御指導・御鞭撻賜りますよう宜しくお願い申し上げます。