この5月に前里見会長の後を継ぎました河村でございます。 今日は悪天候の中、大勢ご参集頂きありがとうございます。 90年に亙る教職員の方々のご努力によって、今なお早稲田理工学部応用化学科の名声が天下に響き渡っていることに対して心から敬意を表する次第であります。 更に私どもはこの場に学び、生涯の友を得、その背番号を配して今日まで生きながらえてきました。この様に皆さんとご一緒に、85周年の祝賀会を祝える事を心から嬉しく思います。
90年前に応用化学科が出来た後、 第一期生と第二期生が卒業しましたのは 大正12年(1923年)。学校を出てから応化会を作ろうではないかということで応用化学科設立から5〜6年遅れて応化会が発足しました。第1回の会長は小林久平教授であり、 その後85年を経たわけであります。 特にこの祝宴は30年、40年、50年と応用化学科の祝賀会とは別に行なわれてきましたが、 70周年から応用化学科と一緒になり、75年と70年というようなパッケージで祝賀会をやるようになりました。なぜ5年に1回やるのかというと、今日のツアーでご覧になった通り学校も刻々と変わっております。時には学校を省みて欲しいという願いがあり、5年きざみの祝賀会が始まったと思います。それ以外は5年がなぜと申し上げることはありませんが、応化会は毎日の様に活動しておりますので、 5年に拘らず是非とも頻繁に大学にお越し頂くことをこの機会にお願いしておきます。
私は、歴史は過去を振り帰り、夢を追うだけでは何の意味も無いと思います。それに携わる人たちの理念と使命感があってこそ 歴史が生きてくるもので将来に向けて発展していくものと信じております。 最近のわれわれ応用化学科の名声は、ご存知の通り 竜田教授が藤原賞、逢坂教授が文部科学大臣賞という大変な賞を受賞され、その他にも各教授が各学会でリーダーとして幾多の賞を受賞されておられます。 又、黒田教授が指導しておられる"グローバルCOE"という世界に向けての研究と教育の拠点として文部科学省に認定され、支援を受けているもので、私学の物理・応用化学部門の中で唯一早稲田の応用化学科が選抜されたものであります。これらの功績に対し心からの敬意を表します。
一方、我が応用化学会といたしましては、皆さんの協力を得まして、前里見会長の時代に 色々な地固めをしていただきました。今や理工学部のみにあらず早稲田大学全体としても、応用化学会の活性化活動は高い評価を得ています。因みに明日の理工学部100周年には 私も応用化学会会長として呼ばれており、祝賀会の席上で来賓代表として挨拶をすることになっております。ひとえに皆様方のご努力による応化会の名声のお陰でありまして 機械や金属、電気を押しのけて祝辞を述べるという点においても いかに我々の応化会が理工学部から高い評価を受けているかお解かり頂けると思います。
これを機会に皆様方には 5年に一遍ではなく、更なる参加意識をもって次の世代に私どもの経験と理念を伝えることにご協力をお願いしたい。さもなければ、これまでのように祝賀会が今後10年20年と続くとは私には思えません。 是非これを機会になんらかの形での参加を皆様に呼びかけたいと思います。大学の名声や応化会の過去を漫然と引き継ぐのではなく、これを機会に応用化学科の更なる発展に対して我々個々人が使命感を持ってこそ本日の記念行事の意義があると思います。
最後になりますが、今日の式典につきましては、学校側は平沢教授が、学外は柳澤理事が担当として企画・実行をされ このように成功裡に開催されましたことに感謝の意を表したいと思います。 又 協力して頂いた学生諸君も、未だ忙しくて参加していませんが数十人きておりますし、各委員会の方も大勢参加していただいております。更に応化会の事務局長である高橋君も献身的な努力をして頂きました。 この場を借りてお礼申し上げます。
皆様の変わらぬご協力とご支援をお願いしてご挨拶とさせて頂きます。