応用化学科の主任を拝命しております木野でございます。教員を代表してご挨拶を申し上げます。
本日は、お忙しい中をこのように大変多くの先輩の皆様、ならびにご来賓の方々のご臨席を賜り、誠に有難く、厚くお礼申し上げます。また、日頃から応用化学科、そして早稲田大学の教育・研究活動にご理解と多くのご支援を賜っておりますこと、大変有難く、この場をお借りしてお礼申し上げます。
応用化学科は創立90周年を、そして応用化学会は創設85周年を迎え、また理工学部も創設100周年を迎えました。理工学部の中でも応用化学科は早くから設置された大変伝統がある学科であります。一口に90周年と申しましても、そこにはとてつもなく長い時間の流れと歴史があるわけでありまして、このように伝統のある学科の創立90周年を皆様と一緒にお祝いすることができますこと、大変嬉しく光栄に思っております。
さて、第44代アメリカ合衆国大統領にバラク・オバマ氏が選出されたことは、今週のビッグニュースとして皆様ご存知の通りですが、色々な意味で、感動をもって、この選挙にさまざまな思いを馳せたのは私だけではないと思います。米国の歴史を踏まえると、初の黒人大統領の選出は、勿論、米国にとって大変大きな変化であり、国民がまさにそれを求めた結果であると思います。世界中がこの選挙戦を見守り、期待していたことと思います。しかも、国民の多くがこの選挙を真剣に受け止め、自分のそして家族の生活に直結させて、次期大統領の選出に取り組んでいました。「我々の大統領を選ぶ」という思いは同じですが、まさに米国を二分する形で熱い選挙戦が繰り広げられました。また、とても多くのボランティアがこの選挙戦に参加し、自分の主張や考え方を前面に出して積極的に活動している姿は、わが国の現状と比較し、大変羨ましく、新鮮に感じました。アメリカンドリームへの国民の熱い思いを、また伝統的な米国のパイオニア精神の原点を見た思いが致します。米国は巨大国家として、確かに世界をリードしてきましたが、衰退していくような雰囲気もあります。しかし 今回 "Yes, we can"の言葉に表されるように、これからの大きな変化と新しい展開、そして夢を予感させられます。
早稲田大学は、昨年、創立125周年を迎え、第二世紀として新たな展開・発展に向け歩きだしています。グローバルユニバーシティとしての「新しい早稲田」を実現するために、多くの施策が立案・実施されております。アカデミアとしての知の基盤の構築や世界で活躍するリーダーの育成、学際融合研究の推進などを、具体的なテーマとして多角的に推進させています。応用化学科はこうした動きに先んじて、既に教育・研究分野において、具体的な活動や成果を挙げており、まさに牽引役として多くの場面で活躍をしています。世界最高水準の研究教育拠点の形成と研究水準の向上、そして世界をリードする創造的な人材育成を図るための文部科学省の戦略的事業として、竜田教授を拠点リーダーとする21COE「実践的ナノ化学教育研究拠点」をまず成功させ、現在、黒田教授を拠点リーダーとして グローバルCOE「実践的化学知」が、応用化学の教員を中心として展開しております。この他、 文部科学省の振興調整費プロジェクトとして、逢坂教授が「先端化学・健康医療融合機構(ASMeW)」を、西出教授が「実践的博士人材養成プログラム」を、それぞれ全学的に展開しております。
持続的社会の実現に向け、化学、そして応用化学科に期待するところは大きく、私たち教員は、21世紀の科学社会を支える牽引役として、その中枢に位置していると認識し、応用化学科の全教員は、さまざまな分野でリーダーとして、化学を、そして早稲田を引っ張っています。
こうしたアクティビィティの高い活動を可能 としているのは、教職員や学内外関係者の努力は勿論でありますが、本日ご臨席頂いております先輩諸氏の日頃の熱いご支援とご尽力があってと考えております。創設85周年を迎える「応用化学会」を中心に、奨学金制度の創設や講演会開催など、物理的にも精神的にも力強いサポートを受けております。先ほど、米国大統領選挙戦での多くのボランティアのことに触れましたが、まさに応用化学科は、熱い思いを持つ多くの先輩方のボランティアによって支えられております。あらためて、応用化学会に感謝の意を表すると同時に、85周年をお祝いしたいと思います。
応用化学科ならびに応用化学会は、それぞれに、また連携・協調しながら、これからも大いに発展していくことをここにお約束します。"Yes, we can"であると同時に、今まさに、先人たちの築いてこられた伝統を守りながら、柔軟に変化し そして進化していくことをここにお約束します。"Now, we are changing"であり 進化・発展し続けることをお約束します。
最後に ここにご臨席の皆様の益々のご健勝とご健康を祈念いたしますと同時に、応用化学科ならびに応用化学会に対し 引き続き皆様方のご理解とご支援を賜りますようお願い致します。
以上、応用化学科教員を代表いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。