第3回(2007年度)給付奨学生

 5月12日開催の推薦委員会の推薦に基き、5月24日の教室会議での審議の結果、以下の4名の給付奨学生が決定しました。

 皆様の絶大なご協力を得て、募金活動も最終目標の2,000万円達成に向けて順調に推移しており、この度より当初の目論見である年間4名への給付が可能と成りました。今後とも4名を上限として、本制度の趣旨に沿う学生の選抜、支援を続ける所存です。皆様のご理解とご協力を切に要望します。
 尚今回より平林 浩介、細田 拓両推薦委員の参画を得、此れまでの里見委員長、平沢応化主任、柳澤、速水、河村委員共々合計7名の委員で審議を行いました。各人との面接は平均30分、その後検討会を行い5名の申請者の中から 4名を選びました。
 約4時間を要しましたが、趣旨に沿った将来性豊かな学生を選抜出来たと確信しております。    

(平成19年5月29日河村記)

推薦委員のリストは、こちら


平成19年度(2007年度)応化会奨学生

高橋 信行 君
(黒田研 M2)
メッセージ
福田 知広 君
(竜田研 M2)
メッセージ
小保方 晴子 君
(常田研 M2)
メッセージ
中嶋 聡 君
(西出研 M2)
メッセージ
 


第3回応化会奨学生選考にあたって
早稲田応用化学会会長  里見 多一

 早いもので、今年度で三度目の選考会になった。 例年通り、先生からのご推薦により応募された学生諸君であり、人物、学業何れも甲乙付けがたい優秀な学生であった。 ご案内のように、本奨学金給付制度の趣意書(HP参照)には、「少なくとも経済的理由による学外への頭脳流失を防ぐために、奨学金制度の意義がある・・・」が一番の選考基準となっている。
 とかく最近の若者は・・・と揶揄する向きもあるが、殊応化学生諸君は独立心旺盛であり、大学院進学に際しては親の経済状況に関らず、奨学金と若干のアルバイトにて生計を立てると強い意志を持つ方も多い。 非常に素晴らしい考えであり、自らの過去が恥ずかしく成る程である。
 しかし、選考する側にとっては、やはり家庭の経済状況を鑑みざるを得ないのも事実である。 本回想をお読み戴いた学生諸君には、年金にて生計を立てられている多くの先輩諸氏からの出捐でその原資の一部が賄われている事をご理解頂いた上で、応募戴く事をお願いしたい。 我が国には出世払いという言葉も残っている。 両親縁者から借財出来る環境の方は、そうでない仲間に奨学金給付の機会を譲って頂ければと考える次第である。
 募金活動は今年で一応終止符が打たれるが、給付は後8年間継続される。 奨学生にあっては出世払い出来る状況になった際には、是非共に、後世の応化奨学金制度に幾許かのご協力頂ければ、恒久的な給付も可能となろう。 多くの会員の協力下、持続可能な奨学金制度の確立が応化会の目指すべき道の一つであると考える。  

第3回応化給付奨学金感想
応用化学科主任教授  平沢 泉

 今年で、3回目となった奨学金の審査は、平田彰奨学金(修士2年対象、博士後期課程進学予定者)と同時期募集、選考とし、5月10日(土)応化会議室で行った。4月に実施した大学院修士学生向けのガイダンスや、事前説明会において、本奨学金の趣旨を説明し、学科内の学生に十分な周知できたと考える。
 研究・技術系の審査員を新たに2名加えた7名の審査委員会を構成した。審査員は、事前に送付された申請書類を熟読していて、教室の先生方とは、ひと味違う質問で、学生の考え方や、平素の生活態度を引き出していた。学生諸君も視点の違う質問に、とまどいつつも、真摯に回答していた。OB諸氏の経済的に困窮している優秀な学生を支援したいとの要望を十分に反映した選考結果であった。 

第3回応化会奨学金給付生選考に当たって
早稲田応用化学会 活性化委員会・基盤強化委員会 委員長 選考委員 柳澤 亘

 この制度ができてから早いもので3年目を迎えました。第1回、2回の選考で奨学金の給付を受けた学生さんが、その後、研究・勉学面でたいへん頑張っておられると伺い、嬉しく思っております。
 今回の選考会では、面接いたしました5名の皆さんは推薦教授からも心強い信頼をいただいおり、また一生懸命に研究活動に取り組み、成果も挙げつつある優秀な学生さんでした。そのような中での選考はなかなか難しいですが、私は経済的困窮度と研究・勉学に取り組む姿勢を重点に選考いたしました。今回は選考委員の合意で給付対象者を例年より1名多く、4名の学生さんが決まりました。
 また昨年、2年連続での給付を受ける学生が出ましたが、本年も同様に引き続き給付を受ける学生が1名選ばれました。この奨学金給付制度が総花的ではなく、本来の目的に適う重点的な配慮がなされており、結構なことと思います。
 この制度が定着し、さらに発展することを願っておりますが、応化OBの皆様の温かいご理解とご支援をこれからもよろしくお願いいたします。

(平成19年5月28日)

平成19年度奨学生の選考
早稲田応用化学会 選考委員 速水清之進

 数名の奨学生候補の方々と面談した後、7名の委員で種々の角度から議論して奨学生を選考した。財源に限りあることでもあり、希望者全員採用できないのは残念であったが、以下の経過で今回の奨学生を選考決定した。
 選考の基準として最初に経済環境について、両親の収入本人のアルバイト収入と必要な生活費、と学費など提出戴いた調査票により詳細に面談した。食費、部屋代を数万円に切り詰めて生活をしている方、又両親の収入が定年等により年金となり仕送りが期待できなくなった方が多い。更に研究室に寝泊りして実験している方も多く食事内容も十分でないよう見受けられた。
 次いで研究に対する態度や理解の程度を知るためこれまでの研究のレジメや、今後の研究計画書を基に、研究内容の説明を受けた。研究は生物化学から反応工学の分野まで多岐にわたっており技術用語自体理解しがたいものもあったが、研究内容についてどの程度理解して書いているのかを中心にやりとり試問した。少し硬い説明であったが、全員に研究に対する十分の理解が見られた。更に研究に対する熱意の深い方も何人か見られた。
 優先される選考基準は経済環境であったが、全員似た環境にあって甲乙つけ難く、研究態度理解の印象を加味して、30分の話し合いで最終的には投票により順位をつけ決定した。今回応募者どの方も奨学生資格は十分と思われた。

(平成19年5月31日)

平成19年度奨学生の選考の感想
早稲田応用化学会 選考委員 細田 拓

 私は今回始めて推薦委員として選考会に参画しましたが、先ずは応募された学生諸君全員が、非常に真面目で、それぞれの研究に情熱と夢を持って取り組んでいる姿勢に頼もしくまた心強く感じました。又経済的に大変苦労されている様子も感じ取ることが出来ました。
 選考の結果、選抜された諸君はこれから博士課程に進まれる中で、研究活動に益々磨きを掛け、決して自己満足に陥らず、世の中に認められるような立派な成果を出されることを期待しております。

(平成19年5月31日)

奨学生選考に会しての感想
早稲田応用化学会 選考委員 平林 浩介

 今回はじめて選考会に参加いたしましたが、応募された院生諸君と審査員の方々  の真剣且つ厳しい質疑応答に感動いたしました(先輩諸兄からの浄財を扱うのです  から当然のことではありますが)。結果的に応募された方全員に支給できなかったのは  残念でしたが、限られた財源ですからやむを得ませんでした。
 審査を終わって大変すがすがしい気持ちになったのは、応募された諸君の経済的困窮  にもめげずに学究につきすすもうとする意欲に感銘を受けたからだと思います。
 奨学生諸君の健闘をお祈りいたします。

(平成19年5月31日)

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