竜田邦明栄誉フェロー受賞記念祝賀会
〜 米国化学会賞および有機合成化学協会の有機合成化学特別賞授賞 〜

昨年(2012)8月に米国化学会の天然物化学におけるErnest Guenther Award(ジボーダン社賛助)の受賞者に決定したことおよび有機合成化学協会の2012年度有機合成化学特別賞の受賞者に決定したこと をお知らせいたしました。

 このたび、先生が米国化学会から帰国されたのを機会に、応用化学科および応用化学会合同の「竜田先生受賞記念祝賀会」が5月9日18時30分からリーガーロイヤルホテル東京3階「ガーデンテラス」の間にて桐村光太郎主任教授の司会で執り行われました。

開会に先立ち竜田先生が持参された、授賞式の写真、受賞理由が書かれた証明書(賞状)、メダルおよびダイヤモンドが埋め込まれた受賞者バッジを披露され、参加者全員が興味深げに竜田先生の説明に耳を傾けていました。

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竜田先生受賞式賞状
Ernest Guenther Award授賞式
ACS会長(左) 竜田先生(中央) ジボダーン社代表(右)
米国化学会賞
Ernest Guenther Award
メダル表 メダル裏受賞者バッジ
金メダル(表) 金メダル(裏)受賞者バッジ

祝賀会先ず、竜田邦明栄誉フェローから米国化学会の模様が報告されました。245th ACS National Meeting & Exposition は、ルイジアナ州ニューオーリンズにて4月7-11日に開催され、学会期間の中日、4月9日にErnest Guenther Award受賞者に敬意を表し、4時間(8:30-12:30)の天然物化学特別セッションが設けられ、受賞者が選定した3名の講演者による講演と11:00から1時間半の受賞者による特別講演(すべては全合成から始まる)が行なわれたとのことです。
 2013年の天然物化学におけるErnest Guenther Award受賞理由は、賞状に書かれているように4大抗生物質を含む102の様々な天然物の全合成を、合成戦略、合成方法および特に実用的開発を網羅して完璧に達成したことであり、その日の夜に行われた授賞式ではダイヤモンド入りのバッジを胸に付けた竜田邦明栄誉フェローに米国化学会会長(中国系米国人)から、ジボーダン社代表立ち会いのもと、賞状、金メダル、が授与されました。
祝賀会
竜田邦明先生のスピーチ
今回の有機合成化学特別賞の受賞では、私学出身者が選ばれたのは初めてでしたが、米国化学会賞についても、25年以上、米国化学会誌に投稿していないにもかかわらず(Chem. Rev.には依頼され投稿)、受賞できたのは業績だけを評価した選考委員の公平さを示しています。目下、米国化学会は、会長をはじめ中国系学者が増加し、学会参加者も中国系の学者が増えており、米国系の参加者が目立って減少してきています。中国系研究者の台頭を考えたとき、日本の若手研究者の奮起を期待せざるを得ません。
 幸いなことに102種のうち初めの38種は、慶応義塾大学で、残りの64種の全合成が早稲田大学でできたのは21COE(実践的ナノ化学)、Global-COE program(実践的化学知)等の支援やここにいらっしゃる先生方のご協力の賜物であり、辛苦を共にしてきた往時の学生達のお陰であったと今でも思っているとの謝辞がありました。
 なお、ジボーダン社により援助される本賞は、上記の他に$6,000と最大$2,500の旅費滞在費が振り込まれるとのことです(当日の先生のお話では振り込みがあったそうです)。
祝賀会
西出宏之教授のご挨拶
祝賀会
河村 宏応用化学会会長祝辞

 西出先生の乾杯のご挨拶の中で、 竜田先生は102個の天然物の全合成を成し遂げられましたが、これからは77歳(喜寿)、80歳(傘寿)、81歳(盤寿)、88歳(米寿)、90歳(卒寿)、99歳(白寿)を経て102歳迄まだまだ長生きをしてご活躍され、お元気で私どものご指導をお願したい旨要望された。

祝賀会
楽しく会食、歓談しながらあっという間に時は過ぎ、河村会長からこれまでの数多くの受賞歴に加えて二つの受賞歴が加わり、早稲田大学に世界の有機合成化学者ありとの名声を高めたことに敬意を表したい旨のご祝辞のあと、黒田・下嶋研究室の一員となられた 下嶋 敦准教授から竜田先生にお祝いの花束贈呈があり、花束贈呈と参加者一同からの記念品をお渡しし、竜田先生のますますのご活躍を祈念した松方正彦先生の閉会の辞で、すばらしい祝賀会もお開きとなりました。



(文と写真:広報委員会 相馬威宣、授賞式写真提供:竜田邦明先生)
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