宇佐美昭次名誉教授(新制5回、S30年卒、同大学院博士課程S36年修了、工学博士)が、平成22年春の叙勲において瑞宝中綬章を受章されました。
宇佐美昭次名誉教授は、本学の教員在籍時は、応用生物化学の分野において微生物や酵素の利用に関する研究を精力的に展開されました。一例として、醸造・発酵用微生物として有用なカビの各種培養条件における代謝・生理的特性を詳細に解明し、その成果としてクロコウジカビを用いた液内培養法によるクエン酸発酵法を世界に先駆けて開発・実用化するなど、応用生物化学ならびに近代バイオ産業界の発展に大きく貢献されました。これらの業績により、日本化学会進歩賞(S39年度)や醗酵協会賞(S40年度)も受賞されています。
また、4期8年(H4〜12)という長期間にわたり早稲田大学理工学部長として、あるいは大学の商議員や評議員として、教育環境の整備や斬新な改革を推進するなど、大学教育の発展にも大いに貢献されました。現在も二つの専門学校で教鞭を執っておられ、後進の指導に当たられています。
科学技術基本政策の根幹を議論した産業技術審議会委員(H6〜8)等の省庁関連の役職を務められ、わが国の科学技術政策に重要な提言をなされたことも大きな功績です。