第8回 講演会報告(速報)

演題:
「化学史と共に考える―日本の化学と化学工業の離陸は遅かったのか」

講師:山本明夫先生

工学博士 早大応化 新4回卒
東京工業大学 名誉教授
早大理工総研 名誉研究員
日時:2007年7月31日(火)17時00〜18時30分
場所:大久保キャンパス 55号館1階 大会議室

 参加者は116名、その内学生が61名と多数の参加を得た特筆すべき講演会でした。
 里見会長の挨拶に続き、平林委員による講師紹介で、講演会は始まりました。

 先生のご趣味は「化学史」と紹介され、山本先生は冒頭、その理由は「化学の研究と共通の面白味があるから」と話され、講演の本題に入りました。

 イギリスの産業革命に遅れをとったドイツが、大学と専門学校で化学の研究とその工業化の人材を育成し、合成化学によって国威を高揚し、次いでアメリカが大学院制を充実させることにより、飛躍をはかったという世界の化学史を概観された。
 日本では、鎖国時代に新知識を貪欲に求めた先人達がいたこと、化学の学問体系が形をなした明治時代に政府の努力もあり、離陸が始まった。第一次世界大戦でドイツからの化学品の輸入が止まると、合成化学品の国産化が始まり、第2次世界大戦の敗戦の惨禍も克服し、今日の化学工業の繁栄を見るに至った。
 ノーベル化学賞受賞者も3人を数えるに至ったが、先生は、教育、特に大学・大学院教育のあり方が、今後のわが国の化学研究と産業の発展を決めていく、わが応化の後輩達に期待すると述べられ講演を締めくくられました。

講演会開始直前の山本明夫先生と里見会長ご講演中の山本先生
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 講演会に引き続いて行われた懇親会では、中川活性化委員長の挨拶、今年度の応化会奨学金給付生の紹介と挨拶のあと、山本先生自ら乾杯の音頭をとっていただき、懇親を深めました。
 ご講演の詳細は 応化会報秋号 に掲載されます。(文責 岩井)



2007年度奨学金給付生
左から福田知弘君(竜田研M2)、高橋信行君(黒田研M2)、中嶋聡君(西出研M2)、残念ながら、小保方晴子さん(常田研M2)は海外旅行中のため欠席
乾杯の音頭をとられる山本先生
歓談される山本先生(その1)歓談される山本先生(その2)
歓談される山本先生(その3)大森悠哉君、大先輩にマイクを持たせて一本〆
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