2011年3月2日(水)、「名古屋百楽」14階ホールにて、第4回の総会と交流講演会を開催致しました。
講師には先進理工学部応用化学科清水功雄教授を招聘し、又、関西支部との交流の始めとして井上関西支部長並びに市橋関西副支部長に参加して頂きました。総勢29名の盛会でありました。
山崎事務局長の司会により総会を開会し、先ず新しく役員として迎えた金原和秀氏(新32回)を紹介。
引き続き牧野支部長より、「一層会員相互の親睦と情報の交換を深めたい。今
回関西支部より井上支部長と市橋副支部長に参加して頂いた。今後は関西支部との交流を深めて行きたい。」との挨拶があった。
続いて堤幹事より2010年の支部活動実績、会員動向把握結果および2011年度活動計画の報告がされた。総会報告内容はこちら
母校清水功雄教授による「未来を拓く有機合成化学--応用化学2011その深さと広がり」と題した、教授の取り組んで居られる炭素の安定同位体13Cを生理活性物質の任意の位置に組込む、最新の話題を講演して頂いた。
講演は古代ギリシャ哲学から素粒子に至る物質に関する科学史のスライドから始まり、分子の概念の構築、放射性物質の発見、尿素の人工合成を経て、安定同位体13Cを組込んだ有機物の合成へと話は移っていきました。
先生の研究テーマの一つである有機物の13C標識化の話題になると、先生の表情は非常に楽しそうになり、聞き手側もその雰囲気の呑み込まれているようでした。
13Cを如何に分離するか、13CO2からLiを用いてアセチレンを合成しベンゼンへと導く過程や、13CO2をラベル炭素源としてアミノ酸の一種であるグリシンの合成についての詳しい説明がありました。
専門外の者でも興味深い話題に引き込まれ、リングの全ての炭素を13Cで置換したベンゼンのNMRスペクトスを説明している先生の笑顔は印象的でした。
特に感動したのは13Cをコレステロールの任意の位置に組込み、その代謝を追跡する研究の話でした。一般に、生体内における有機物の代謝は複雑で、代謝経路の特定の酵素の活性を生きた状態で測定することは非常に難しいのですが、先生の最先端の技術を使えば、それが可能になると思ったからです。
科学の世界では、よく「誰もやらないことをやれ」と言われますが、正にそれを実践されておられ、素晴らしいと感じました。ご講演はあっという間には終わってしまいましたが、参加者は、学生時代を思い出すような意義ある講演に熱心に聞き入って居りました。
近藤副支部長の発声で「乾杯」を行い懇談に入った。
参加者は清水先生や井上関西支部長を中心に懇談と会食を大いに楽しみ、会が盛り上がった所で、井上関西支部長より、関西支部の活性化への取り組みや、今後の中部支部との交流への期待を込めた挨拶を頂いた。
今回初参加の中里隆一氏、早水斗南夫氏、鈴木克典氏、松永武久氏及び市橋関西支部副部長より自己紹介を兼ねたスピーチを頂いた。又、中部支部活動に大変貢献頂いた渋谷宏之氏の東京転勤に伴い、同氏の最後の指揮で校歌斉唱し、恒例の中部支部会へのエールを頂いた。
最後に三島幹事より、井上関西支部長、市橋副支部長へのお礼と参加者への今後の中部支部活動への参加をお願いし閉会となった。
応化会旗を背景に、牧野支部長以下全参加者の記念写真を撮り散会した。
(各写真は、クリックすると拡大されます)
当日の参加者(敬称略)
(講師) 清水功雄
(中部支部会員) 澤田祥充(旧31回)、牧野兼久(新8回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦男(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、古山建樹(新20回)、梅村幸治(新20回)、早水斗南夫(新20回)、須藤雅夫(新22回)、友野博美(新22回)、木内一壽(新24回)、山崎隆史(新25回)、伊藤理(新26回)、中里隆一(新29回)、服部雅幸(新32回)、金原和秀(新32)、藤井高司(新36回)、加藤啓(新38回)、鈴木克典(新39)、大高康裕(新41回)、高橋豪(新50回)、渋谷宏之(新50回)、松永武久(新52回)
(関西支部会員) 井上征四郎(新12回)、市橋宏(新17回)
(文責:堤正之)
(各写真は、クリックすると拡大されます)