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早桜会第6回講演会を9月27日(土)、大阪弥生会館(大阪・梅田)で開催しました。今回の講師は、大阪府立大学の前田泰昭先生(新14回)で、現在も地域連携研究機構特任教授としてご活躍されています。先生は、長年JICAの政策アドバイザーとしてベトナムで環境問題に取り組まれ、2013年、その功績によりベトナム環境省から表彰を受け、ベトナム国家大学から 「Distinguished Professor」 の称号を贈られました。今回は、そのベトナムでの業績につきまして、「バイオディーゼル燃料の上流から下流まで」と題して、お話をいただきました。
地球温暖化を防ぐという、大きな目的に沿って、なぜベトナムで?といったところから、本当に役に立つ研究とはどういったものであるのかをとても興味深く拝聴させて項きました。
お話は、地球温暖化防止のための方法について、エネルギーの生産からその消費までのすべてのサイクルを自国で行うことが重要であるということから始まり、先生がベトナムという、私たちのあまり知らない国でなぜこの取り組みを始めたかのお話と続き、再生エネルギーに関する具体的な研究のお話と続きました。
バイオディーゼルの原料となる植物の植林を行う場所、植物の種類の選定、いかにして、その植林を成功させるのかについては、先生の幅広い見識が伺えるところでした。また、植林の欠かせない土の状態については、その汚染程度が重要であり、実は大阪の神崎川が意外と汚染されているという事実はショッキングなお話でした。
また、先生はバイオディーゼルを製造する上で重要なグリセリンとメタノールを混合する方法で、これらの混合液にアセトン混合するという、非常に簡単な方法にて、これまでの方法に比べて画期的な方法を編み出しました。一見、簡単にも見える方法ですが、この方法が今まで開発されていなかったことに驚きを覚えるとともに、なんでも行ってみることの重要性を改めて感じました。
講演会終了後は会場を移して、前田先生を囲んでの懇親会となりました。現在、日本に留学されているベトナムの学生を交えながら、いろいろなお話を伺い、また、司会の中野理事の指名でのスピーチに会場は盛り上がりました。前田先生を囲んでの談笑の輪が続き、和やかなうちに時が過ぎお開きとなりました。
先生は1年の1/3以上をベトナムでの研究に当てられており、70歳を過ぎましても今まで以上にエネルギッシュにご活躍されている様子を伺い、我々、現役の世代も、先生のその元気と若さに負けていられない気持ちになりました。先生にはいつまでもそのエネルギッシュなまま、これからもがんばって頂きたく思いました。
(島 記)
懇話会出席者(23名)
津田 實(新7回)、井上 征四郎(新12回)、下井 将惟(新13回)、前田 泰昭(新14回)、岩本 皓夫(新15回)、市橋 宏(新17回)、田中 航次(新17回)、辻 秀興(新17回)、倉持 誠(新21回)、斎藤 幸一(新33回)、和田 昭英(新34回)、古川 直樹(新36回)、脇田 克也(新36回)、中野 哲也(新37回)、西峯 健一(新47回)、島 圭介(新48回)、荒井 直樹(新50回)、數田 昭典(新51回)、澤村 健一(新53回)、鈴木 康之(新54回)、寺村 達也(新55回)、Luu Duc Phuong、Do Tuan Anh、Nguyen Le An(ベトナム国家大学学生)