同門会便り

スンガリの思い出

中国ハルビン市を悠然と流れる大河、松花江、ロシア名スンガリ。 若かりし頃をハルビンで過ごしたママさん。帰国して新宿歌舞伎町のコマ劇場の近くに開いた小さなバーの名は、スンガリ。

浅川マキのレコードを聴きながら、静かにサントリーの角を呑む石川研の面々。角ビンの中身は、サントリーレッド。レッドのビンではカッコが悪いと、ママさんは漏斗でレッドを角ビンに移し変えていたっけ。つまみは客が残したあたりめ。静かにゆったりと流れる時間。カンバンまで粘れば、本場物の冷麺をご馳走してくれた。運が良ければ、銀行勤めを退けた後に手伝いに来る、ママさんの次女、飛び切り美人の啓子ちゃんに会えた。 あの日はどこに行ってしまったのだろう。 あれから30数年。

歌舞伎町の夜は毒々しいネオンが咲き乱れ、昔の面影は喧騒と嬌声の中に埋没してしまった。 スンガリで3日と空けずに呑んだくれていた石川研の面々が、昔を懐かしみ、年末も押し迫った29日にその歌舞伎町界隈で毎年呑み会をやっています。帰って来ないあの日を思い出しながら。後輩の奥さんとなった啓子ちゃんは、今年は来てくれるかなぁ。 (佐藤 文昭 S47卒)

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石川研(45年〜47年卒業)