関根 泰教授の開会の辞 |
式次第 |
関根 泰教授の開会の辞に引き続き大学院先進理先進理工学研究科長 西出宏之教授から以下の祝辞がありました。
「本日は、応用化学専攻褒賞奨学金授与式の開会にあたりまして祝辞を述べさせていただきます。
先ずは、桐村主任教授はじめ関根教授ほか授与式をご準備いただいた皆様、本当に有難うございます。本年は応用化学専攻で6名の方について、先進理工学研究科における学位の授与を了承または認めるプロセスが既に完了しており、またパラレルに水野賞に相応しいかどうかについての応用化学専攻の教室でのご判断と合わせて本日の表彰に至りましたこと博士号の授与と合わせて本当におめでとうございますと申しあげます。これは皆様のご苦労、そしてご家族の支援、また、同僚そして指導の先生方のご尽力によるものであることはいうまでもありません。
また、本日は、水野奨学金を7名の諸君が選抜され、平田 彰先生のご意向によります平田 彰奨学金が2名、そして河村会長の下での応用化学会同窓の皆様のお力添えによる3名の応用化学会給付奨学金受領者を合わせまして奨学金に選抜された皆さんに「おめでとう」と申し上げるとともにこれらの奨学金のためにご尽力いただきました先輩や関係の皆様の志に先進理工学研究科を代表して厚く御礼申し上げます。
ご承知のように我国にとりまして質の高い、新しい価値の創造が求められておるわけであります。そのためには一つの切り口として従来の物質や方法論だけでは成し遂げられないことがあります。これらは化学、特に、応用化学に関係してくる訳ですが、「もう新しい物質は出てこない、方法論も出尽くした。」とおっしゃる方もおられますが、化学、応用化学の領域は、そんなに底の浅いサイエンスやエンジニアリングではありません。これは皆様もお分かりのことと存じます。昨年の例をとりましても、例えば、太陽電池の変換効率が飛躍的に10%を超えるようなペロブスカイト構造の有機・無機の化合物が登場して多くの関心をよんでおります。更に、今日ご司会の関根先生らの領域に関わります所謂シェールガスの革命によるそれに伴う新しい応用化学の技術があります。
皆さんが挑戦する新しい化学、これは山ほどあるわけですので皆さんのなかには社会または研究機関等のアカデミックなところで研究を継続する方もおられると思いますが、是非、我国のために挑戦をしていただきたいと思うわけです。そのための一つの支えとして本日の表彰や奨学金がお役に立っておるものと信じておりますし、そのことに御礼申し上げ、皆さんの将来に対する大いなる期待を熱いメッセージで贈らせてお祝いの挨拶といたします。
本日は、本当におめでとうございます。また、ご支援ありがとうございます。」
桐村主任教授から、第27回水野賞、水野奨学金、第9回平田 彰奨学金、第9回応用化学会給付奨学金それぞれの由来について説明があり、各表彰、奨学金受給者一人ひとりに桐村主任教授が賞状、証書を授与されました。
小林 慶一君、助川 敬君、筑紫 翔君、張 亮君、 綿村 浩人君、林 政平(当日欠席)
(水野賞受賞者はこちらのページ)
鄭 文国君、猪村 直子君、務川 慧君、ジョファルル ウゥストニ君、ヴォダルツ ジギー君、 加藤 遼君(当日欠席)、佐々田 哲人君、徳江 洋君
(水野奨学金受給者はこちらのページ)
牛木 章友君、宮本 龍樹君
(平田彰奨学金受給者はこちらのページ)
ヴォダルツ ジギー君、佐々田 哲人君、徳江 洋君
(応用化学会給付奨学金受給者はこちらのページ)
本日は、受賞者の皆様、誠におめでとうございます。実は、水野賞の前半は、私は、会社勤めのために兄が水野家を代表していました。10年くらい前に兄から引き継ぎ、遺族代表をしております。
さて、私は、閻魔帳を持っておりまして水野賞はじめ平田 彰賞,応化会奨学金を含めて受賞者の動静をノートに控えております。すなわち、何研究室のだれが博士課程を修了してどこに就職してどうしているかの全記録があります。この水野賞も毎年調べているのですが、あと16年は大丈夫です。金利充当型を止めて取り崩し型にしましたが、それは、金利が1%や2%の時代では水野賞を8名や10名に受給させるにはとても無理ですから元本取り崩し型にして8人制にました。今年を含めてネットで160人弱になったと思います。最近ちょっと残念なのは、前半は、ほとんどが吉岡先生のように慶應義塾とか、また、東大とか東京工業大とかの教授になった方が多くおられました。企業に行った方は前半10年では1割もいなかったと思います。
制度の変更もあると思いますが、最近は特に、水野賞をもらった人が企業に行くのが顕著になってきました。本来の流れからちょっと方向が変わってきた気がします。 応化会奨学金は、凡そ300-400人のOBで定年退職者が多いのですが、先生方にも大変な協力をいただきましてそれらの方々のポケットマネーをもとに設立したもので、これがなんと9回目、すなわち、今日の水野賞の受賞者の中に二人入っていると思いますが、博士課程を修了して博士号を取得した方が3期目になっています。我々の主旨は、博士課程ではいろいろな奨学金がありますが、修士のときには奨学金が少なく、平田賞もできたかできなかったかという時期で古賀賞だけでしたので学部から博士課程にブリッジしようということで呼びかけたものです。従って、今日のリストを見ても我々の応化奨学金を取った方が水野賞の中にも大勢入っているということは我々の意図するところであります。
ところで、何を今日言いたいかというと、将来、独立したときに是非、リサイクルのシステムは出来上がっています。今は誰しもいくらでも寄付できるのが応化会奨学金です。寄付の時期を切っていませんので延々と続きます。今日、9回終わって多分あと7年は今のままで続きます。従って、これもやっぱり二十年になると予測されますが、それは卒業された皆様が経済的に然るべき地位になった時に今日のことを決して忘れずに自分たちの後輩のために金一封を捧げるということです。応化会奨学金には労力的にも金銭的にも応化会活動に協力する旨の誓約書が入っていますのでこのことを今日ぜひ皆様に伝えておこうと考えてきました。宜しくお願いします。
このたび、水野賞を応用化学専攻より授かり、身に余る光栄と深く感謝しております。学部入学より現在に至るまで応用化学の奥深さと素晴らしさをご教授いただきました諸先生方、また、日々の研究のご指導を賜りました桐村光太郎先生に深く感謝の意を表し、厚く御礼申し上げます。
水野賞は、校友であられた水野敏行氏が早稲田大学の発展に心を砕かれ、後輩である私共、応用化学専攻の早大生のために創られた賞と存じております。この程、私共は、この名誉ある水野賞を賜り、受賞者一同、喜びと共に身の引き締まる思いで一杯です。本年度博士号を授与される私共は、学生生活を終えて新年度より社会に旅立つことになります。今後は各々の立場や専門は違えど、応用化学専攻を修了した者に共通の『役立つ化学、役立てる化学』を大切にして、科学技術の発展と普及に貢献していく所存です。今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。
最後になりましたが、水野 敏行様並びにご遺族の方々に深く感謝し、更なる精進をして参りたいと存じます。
2014年3月13日
早稲田大学 大学院先進理工学研究科 応用化学専攻博士後期課程3年
受賞者・受給者代表 小林 慶一
「π電子を活用した新しい有機機能材料を目指して」
本間敬之教授から講師略歴(付表)および研究の専門分野で、特に、安定ラジカルですとかポルフィリンといった共役系の結合をもった分子の中のπ電子の機能に着目して単分子あるいはその分子集合体での高度な機能発現というところで分子の合成、設計から機能発現まで幅広く研究をされておられる旨の紹介がありました。
吉岡直樹教授からは、冒頭、応用化学で奨学金制度ができるとのことで申請しましたところ博士後期課程の3年間も水野奨学金をいただくことができて大変感謝している旨の謝辞がありました。
全講演のスライドは、HPの資料庫に格納されているので講演の詳しい内容は割愛し、 まとめのスライドを提示しておきます。
また、質疑応答においても詳しい説明がありました。
懇親会は、馬車道にて開催された。先ず、記念講演をされた吉岡 直樹教授を囲み、本日の水野賞、水野奨学金、平田 彰奨学金および応用化学会給付奨学金の受賞者・受給者全員の写真撮影を行った後、応用化学会 河村会長のご発声による乾杯で懇親会がスタートした。受賞者、教員、応化会関係者、吉岡教授を交えて和やかに談笑の輪が広がった。
下井副会長の中締めで予定通り19時過ぎにお開きとなった。
(写真、 文責:広報委員会 相馬委員長)