11月14日(土)に「企業、が求める人材像」が開催されました。本企画は、学生の役にすぐに立つような就職活動セミナーや企業説明会とは異なり、テーマに沿って会全体で活発に意見交換と議論をして、将来どこかで役に立てるように見識を広げることを目的としています。
本年度のテーマは「アントレプレナーシップに学ぶ」となりました。「アントレプレナーシップ」は初めて聞く言葉であったためすぐに調べ、起業を指す言葉だと分かった際は、「起業について学ぶことが将来の役に立つことはないだろう」と思いました。結論として、この考えは間違っていました。
実際に本企画では、アントレプレナーシップを専攻して日本人で初めて博士号を取得された、早稲田大学商学学術院の東出浩教教授をお招きし、二部構成で会を進めました。
第一部は東出教授によるアントレプレナーシップについての講義でした。起業を行う目的とは「お金を稼ぐこと」のみならず、自らのアイデアをベースとして、何かに没頭できたりその行動に意味を見出せるような環境を自ら構築し、自分の理想とする形を作り上げることであると学びました。また東出教授は起業のための必要条件が「失敗を恐れずに行動してみること」であることも強調されていました。
第二部ではアントレプレナーシップについての海外の動画(アイデオ社のショッピングカートを5日間で作る)を鑑賞した後、東出教授と学生間で円滑な討論を行いました。動画はすべて英語であったものの、参加者たちが自由な発想のもと討論したり実際にカートを試作してみて、和気あいあいと何日間も改善を何度も繰り返し、その中で利便性も追求した独自のカートを完成させる様子が映っておりました。またその後の討論では、学部1年から修士2年の学生および参加されたOBの方まで、日本や諸外国の文化の違いにも踏み込みアントレプレナーシップにも着眼点をおきながら、今後の社会についても深く議論を行いました。
私はこの企業が求める人材像に参加して、応用化学科の学生はただ研究を行うだけでなく、アントレプレナーシップを持つことで、世界全体を大きく動かす可能性があるのだと学びました。和田先生が会の途中で「iPhoneをただ買う人間であってはいけないよ」とご発言された通り、「今後の社会を良くしていくのは自分たちだ」という意識のもと、主体的に行動することが大切であることに気づきました。
そして最後に、新型コロナウイルス感染症下においても感染対策を徹底することで、対面での開催を実現でき、学生たちの視野を広げる貴重な会となりました。講義をされた東出教授、企画構成の主導をされた和田先生および運営にご協力頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
文責: M1 藤田聖也