2019年度 企業が求める人材像

10/5(土)に第10回フォーラム「企業が求める人材像」が開催されました。本フォーラムでは和田先生がモデレーターを務められ、ゲストとして西出応化会会長、山口教授、産総研バイオメディカル研究部門で副研究部門長を務めていらっしゃる本田先生、そして応用化学科OBの方々をお招きして行われました。

 

その内容は「未来の化学を語らう」というもので、数十年後、AIが益々進化していくと考えられる中で化学はどう変化していくか、その変化に対して我々はどのように適応していかなければならないのかなどの長期的な問題について考えるものでした。

 

まず初めに、西出会長から「materials informatics」についてのお話をいただきました。その中で、機械学習を利用することで違う物質を掛け合わせたときにどのような物性を示すかを機械が分析できるとおっしゃられていました。また、「材料開発とは従来、理論を積み上げて目的の材料を開発する演繹的な方法がとられていたが、現在では様々な化合物を機械が分析してその性質を推定することで、目的の材料を探す帰納的な方法がある。」とおっしゃられていました。このお話は、普段授業で理論を学んでいて、ある状態に適する化合物を探すとなったときには必ず理論を重ねて、演繹的に考えるしかない我々学生にとっては非常に衝撃的なものでした。

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次に、山口先生からは「30年後の天然物合成研究」というテーマでお話をいただきました。その内容は「2048年になった現在、天然物合成研究はこうなっている」という体のもので、化合物を描画すれば自動的に逆合成解析を行い最適な合成経路を示してくれるものがあったり、反応に最適な溶媒、配位子の選択をAIがやってくれたりと今現在からは考えられないようなものが完成しているだろうというお話でした。そんな中で、AIを“ツール”として利用することが大切であるとおっしゃられていました。

 

和田先生と本田先生の間では「AIは将来人間にとってどのような存在になるか」について議論を交わされ、将来我々人間がやらなくてはならないことについてお話をいただきました。そこへ学生が参加する場面も数多く見られ、学生達の質問にも快くお答えいただきました。

 

この「企業が求める人材像」は、普段我々学生が考えることのないような「未来の化学」という長期的なものについて考える貴重な機会となりました。

最後にはなりますが、お忙しい中お越しいただいた先生方、OBの方々、運営にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

文責:応用化学科3年 岡 康太(2019/10/14)

2019年夏合宿

今年の夏合宿は、9月3日と4日の二日間で開催されました。有名な観光名所を数多く有する山梨県を目的地とし、23名の学生が参加しました。

一日目

昨年同様、63号館ロームズスクエアに集合し、バスの出発を待ちました。気温は涼しく曇り空で、天候の先行きにいささかの不安を抱かざるを得ない空模様ではありましたが、そのような暗澹たる気持ちを感じさせないくらいに座の面々は明るく、これから応化委員のメンバーで過ごす時間に期待を膨らませているように思われました。実際、車中でも歓談が鳴りを潜めることはなく、にぎやかな様子でした。

バスが到着すると、もう県境は超え、山梨県に上陸していました。バスを降りると河口湖を望むことができました。

まずは昼食に、山梨名物のひとつであるほうとうをいただきました。料理に舌鼓を打ちつつ、委員同士で会話に花を咲かせました。

昼食後は自由時間としました。すぐ近くに河口湖遊覧船乗り場やモーターボート乗り場、土産屋などがあり散策には事欠かない場所だったので、充実した時間を過ごせました。厚い雲が立ち込め、富士山を一望することが叶わなかったことに後ろ髪がひかれる思いでしたが、十分に観光したのち、河口湖を後にし、我々が宿泊する宿へと向かいました。

チェックイン後、すぐに宿の近くにあるハーブ庭園に向かいました。案内の方に様々な種類のハーブを紹介していただき、それらにゆかりのある商品を体験させていただきました。ハーブや商品の質はさることながら、案内の方々の親切で温かい応対に、私含め全員がうなってしまうほどでした。

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宿に戻り夕食を堪能した後、宴会の時間になりました。宴会ではイラスト伝言ゲームや〇×クイズを用いたビンゴ大会などの余興を交えつつ、終始笑いの絶えない時間になりました。

 二日目

 朝食後、宿をチェックアウトし、富岳風穴、鳴沢氷穴に向かいました。両者はどちらも洞窟のことを指し、夏でも平均気温が零度近くになるといいます。洞窟の中にはまだ氷が残っており、探検中は季節を忘れ肌寒さに驚きました。暗い洞窟の中でライトアップされた氷は幻想的で、感嘆のため息さえ白く染まってしまいそうでした。

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洞窟を探検した後は、いよいよブドウ狩りに向かいます。ブドウ畑のワイン蔵を見学した後、もぎ放題食べ放題のブドウ狩りが始まりました。甘く張りのあるブドウはどれを食べてもおいしく、ブドウを食べる手が止まりませんでした。一つの房を何人かで共有したりと、二日間で芽生えた絆が垣間見える時間でもあり、胸が熱くなりました。夏合宿を締めくくるのにふさわしいイベントであったと確信しました。

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急転直下の大雨で予定より早めの解散となり、物足りない気持ちもありましたが、それでも満足感は非常に大きなものであり、笑顔で解散となりました。こうして、二日間にわたる夏合宿は閉幕を迎えました。

 

各観光場所で我々を案内してくださった山梨県の皆様、および夏合宿開催にあずかり多大なる支援、協力をしてくださった多くの方々のお力があってこそ、滞りなく全行程を終了することができました。今一度深く御礼申し上げます。

 

文責:応用化学科2年 柴田 朗(2019/09/30)