5月30日(土)に先進講演会が開催されました。
5人の応用化学科教員による講演を聞き、各々の研究の理解を深めることができました。以下は、実際に講演を聞いた学生の感想です。
- 関根教授「エネルギーと環境の今と今後」
現在、化石燃料を燃やして生きている。しかし、化石燃料はいずれ底をついてしまう。将来、我々は外から唯一のエネルギーである太陽光に依存する以外の道がないというが、現在、太陽エネルギーの太宗を担とはは言えない。また、日本は二次エネルギーを買っている。触媒化学は貢献できるところとしては発電化の効率化である。それによって、二次エネルギーの購入量を減らすことができるという。この分野においては触媒化学の伸び代はまだまだある。これは日本でも発展していく将来性がある。今後、勉学に励み、我々が担っていきたい。
- 小柳津教授「高純度エンプラPPSの新合成と物性開拓」
PPS合成はポリフェニレンサルファイド樹脂における合成のことで、PPSは耐熱性ポリマーであり、より高い融点をもち、優れた耐薬品性や燃え難い性質をもつことが理解できた。PPS合成の特徴として様々なものが挙げられるが、特に絶縁材料(低誘電損失)、変性PAS(自由度高く物性制御可)の2点が私たちの実生活に密接に関係していると感じた。同じポリマーでいろいろな衣類に利用されているナイロン66や、ポリ袋に利用されているポリエチレン等に興味があるので、こういった高分子分野に理解を深めていきたい。
- 平沢教授「環境分野に貢献する先進晶析工学」
廃棄物から目的物のみ結晶で回収し、再利用していくことは資源の枯渇防止、廃棄物による環境汚染の改善につながる研究であり、これからさらに産業で発展させていくためになくてはならない研究だと感じた。
- 細川准教授「短工程合成の探求」
狙った化合物を合成するために、通常の合成は工程が多く時間がかかってしまう。今回の講演は、この複数の工程を1つにまとめることで全工程を縮める、短工程合成を確立していく過程の内容であった。合成の過程を多く含むことで、目的の化合物を合成した時に収率が悪くなってしまう。短工程合成によって、目的の化合物の収率を高め、また工程数を減らすことで合成の時間を大幅に削減している、この画期的な研究がさらに進むことで、これからの有機合成化学のさらなる発展が望めるだろう。
- 和田教授「機能性セラミックス開発とその事業化」
“人間は万事塞翁が馬”という先生の人生経験から、研究で成功するにはいかに大変なことを乗り越えていかなくてはならないかということが分かった。無機材料はどちらかというとあまり身近なイメージはありませんが、SiCは非常に高純度にすると特異な性質をもつということを聞いて、他の無機材料を高純度化すれば、意外な機能をもたせることができるのではないかと期待が膨らんだ。その高純度化するための技術開発が楽しみである。