第2回学生企画フォーラム

12月17日(土)に第2回学生企画フォーラムが開催されました。

学生企画フォーラムとは,学生委員が主体となり,学生会員に,本学科が標榜する「役立つ化学,役立てる化学」を,企業の方から講演して頂き,身近に感じてもらえるよう企画した講演会です。昨年から始まった試みであり,大好評の中で,第2回学生企画フォーラムを行う運びとなりました。

今回は,現在,株式会社資生堂(以下,資生堂)で勤務されており,応用化学科OB/OGである中村浩一様,関根知子様のお二方にご講演頂きました。

中村 浩一様

学生時代は応用生物化学を専攻していたため,資生堂に入社した後は,皮膚化学分野の基礎研究を行いたいと考えていたものの,実際はマスカラ作りの研究をすることになったそうです。思いがけない分野の仕事に,全力で取り組む中で,各部署で働く一人ひとりの熱意があって一つの商品が完成することを実感し,その面白さを感じたそうです。初めは,日本で研究をしていましたが,アメリカとフランスで合わせて9年間,資生堂の海外の研究所で研究を行い,そして現在はマネジメントの仕事をしているという多様な経験から得たことを,「キャリア開発」の点から惜しげも無く話して頂きました。研究や他者からの薫陶は勿論だが,とりわけ,「人は仕事を通じて成長する」というお言葉を頂き,さらに,語学などのビジネスの基礎力は常に磨く必要があり,どんな仕事でも,前向きに,その仕事を全力で楽しむことが大事だというアドバイスも頂きました。

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関根 知子様

学生時代は高分子化学を専攻しており,学卒で資生堂に入社,現在は乳化技術の研究をする傍らで,2児の母として育児もしているそうです。仕事で海外とのやりとりが増える中で必要性を感じ,社会人になってから,学位も取得したそうです。資生堂では珍しく,転勤をしておらず,研究分野も大きくは変わっていないそうで,今まで開発した商品について,一般的な知識を交えながら,分かりやすくお話をして頂きました。講演の間に,休憩として資生堂のCMを見た後,現在の生活についてお話をして頂きました。理系の企業ではあるものの,業務や打ち合わせなどでは,文系分野の仕事もあり,様々な力が求められるそうです。社会人になってから勉強できる時間は少ないため,化学分野は勿論,語学などの基礎力は学生時代に身につけておくべきであり,また,仕事ではチームプレーが求められるので,協調性が大事であるというアドバイスも頂きました。

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中村様,関根様の講演の後は,質疑応答を行いました。積極的に質問をする学生が多く,質問の時間が予定よりも長引くほど,質疑応答も盛り上がりを見せ,講演は全て終えました。

お二方のご講演の後は,懇親会を行いました。

応用化学会会長である三浦千太郎様の乾杯の挨拶に始まり,学生とOB/OG間での会話も尽きることなく,懇親会も大盛況でした。最後に,B2 の上宇宿学部生部会代表の中締めの挨拶で,本フォーラムの行程を全て終えました。

昨年のフォーラムに引き続き,学生にも分かりやすく,そして社会人になってからのイメージや,今求められている力が何であるかを知ることができ,非常に刺激的で実りの多い講演会でした。

昨年,今年と大成功の良い流れを引き継いで,来年以降も同様なフォーラムが継続的に開催されると良いと思いました。

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最後に,中村様,関根様,お忙しい中,学生のために講演をして頂き,ありがとうございました。

文責 : 応用化学科2年 神守 広一郎 (2016/12/22)